高齢者の「孤立」を解消したい 「50代以上限定」交流アプリ

「おしるこ」のウェブサイトより
「おしるこ」のウェブサイトより

「おひとりさま」で老後を過ごすことが珍しくない時代になりました。生涯未婚率は2015年時点で男性は23%、女性14%。離婚したり、配偶者と死別したりする人も含めると、老後をひとりで生きる人は今後も増えていくことが予測されています。こうした中、シニア層の孤立を解消するためのサービスがはじまりました。カイト株式会社が手がけるアプリ「おしるこ」です。

オンライン上で仲間を作ったり、専門家に相談できたりするサービスです。昨年8月に試用版がリリースされ、12月に本格的にスタートしました。同社で「おしるこ」の広報を担当する鈴木真梨絵さんは「お友達や専門家とつながるスペースにすることで、シニア層の孤立という問題を解決したい」と話しています。

シニア層にワクワクできる場を提供

「おしるこ」は50歳以上の人が登録可能のコミュニティです。「50代を迎えたからこそワクワクしよう!」をテーマにしています。主な機能は次のようなものがあります。

(1) 仲間を作る
個人同士やグループでチャットによる交流ができます。リアルでは知り合わないようなタイプの人と出会えるチャンスがあります。

(2) 情報を発信する
文章や動画で日記の投稿をします。自分史を作成することもできます。

(3) 専門家への相談
弁護士、税理士、薬剤師などの専門家に相談することができます。現在100名ほどの専門家が登録されていて、今後も増やしていくとのこと。

広報担当の鈴木さんによると、アプリ内の文字はなるべく大きくし、読みやすいようにこだわったそうです。同社で働いているシニアの人に実際にアプリを使ってもらい、その意見をデザインに反映させました。

無料で会員登録ができますが、他の会員とのメッセージのやりとりなど追加機能を利用したい場合、有料になるとのことです。一般的な出会い系のアプリのようなシステムだといいます。また、アプリ内のさまざまな機能を購入したり、アプリ外で商品を購入したりすることができる仮想通貨「おしるこポイント」を開発中だといいます。

同社は、「おしるこ」は単なるオンライン上の仮想空間ではなく、新たな人生の生きがいを見つけ、誰もがワクワクできる「場」にしたいとしています。現在のアプリはGoogle Play版(アンドロイド端末向け)のみの対応ですが、App Store版(iOS端末向け)のリリースも検討しているといいます。

「人生100年の時代に」

カイト株式会社はこれまで、ゲーム開発者向けのアプリなどを開発するサービスを展開していました。こうしたシニア層向けのサービスは今回がはじめてとのこと。同社の後藤崇代表は、「おしるこ」を開発した思いを次のように話しています。

「『人生100年時代』と言われ、リタイア後も数十年生きていかなくてはいけません。しかし、自分の両親もそうなのですが、リタイア後に多くの時間を得られるにもかかわらず、人や社会との繋がりが希薄化し、将来に不安を抱えている高齢者の方は少なくありません。こうした課題を、ITを活用することによって解決できると考え、『おしるこ』を始めることにしました。

『おしるこ』では、シニア層と社会との新しい繋がりをつくり、『孤独』ではなく『連帯』を感じてもらい、積極的な行動につなげます。そこから生まれる生きがいのある活動こそが、日本における新たな価値と経済を生み出せると信じています」

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