「彼氏がほしいと思ったことはない」 30歳女性が「ひとりでいい」と思う理由

「付き合いたいと思ったことはない」と話す由佳さん

最近では、結婚しない、子どもを持たないという生き方を選択する人も増えてきました。それでも恋人や人生のパートナーはほしいと思っている人がまだまだ多いのではないでしょうか。

しかし今回筆者が話を聞いた由佳さん(仮名、30歳)は、「これまで男性とお付き合いしたこともないし、付き合いたいと思ったこともない。結婚願望もない」といいます。一体なぜなのでしょうか。話を聞きました。

(この記事は、2020年1月11日に旧DANROで公開されました。記事内の情報は当時のものです。なお、新しいDANROへの移行についてはこちらをご覧ください)

月に100時間以上残業のハードワーク

由佳さんは大学を卒業後、都内で公務員として働いています。仕事はかなりハードで、月に100時間以上残業することも珍しくないそうです。

「毎朝9時に出勤し、終電まで仕事をする日々を送っています。今は終電で帰れますが、去年は終電に間に合わないこともしばしば。残業は多いと月120~150時間にもなります。先月もおよそ100時間残業しました。帰宅後は、週末に作り置きした食事で夕飯を済ませ、すぐに就寝しています。自分の時間はありませんね。

でも、やりたかった仕事に携われていますし、現在は大規模なイベントに関する仕事をしていますので、やりがいはあります」

あまりの忙しさに「時間に余裕があれば恋人を作る気も起きるのでは」と思いますが、由佳さんは「たとえ時間があっても恋人はいりません」と断言します。

「親密な関係を築くのは大変そう」

なぜ恋人はいらないと思うのでしょうか。由佳さんは「疲れそうだから」と話します。

「そもそも彼氏がほしいと思ったことがありません。恋人がいても疲れそうだし、会うのが面倒くさいだろうなと思います。友だち付き合いですら疲れることがあるのに、それ以上に親密な関係を築いていくのは大変そうです。例えば、浮気をされているんじゃないかと不安になって疲れてしまうと思うんですよね。それなら最初から付き合わない方がいいです」

交際相手と会いたい頻度が合わないという悩みはよく耳にしますし、二人の関係について悩むこともあるでしょう。時には膝を突き合わせて話さなければならない場面があるかもしれません。由佳さんは、そうした面倒くささが付き合うことのメリットを上回っていると感じているようです。

また、「女性らしく取り繕うのが面倒くさい」という話も印象に残りました。

「私は自分が女性らしくないことを自覚しています。愛想もありません。でも彼氏を作ろうと思ったら、服装も化粧も話し方も変える必要があると思います。それは面倒くさいですね。

先日、友人の結婚式に出席したところ、同席だった男性から友人を通して連絡が来ました。どうやら私のことを気に入ってくれたようなんです。しかし、結婚式の時はきちんと化粧していましたし、ドレスも着て、愛想良くしていました。そんな私を見て『いい』と思われても困るので、お断りしてしまいました」

インタビューに現れた由佳さんは、ジャケットに細身のパンツとかなりマニッシュ(男性的)な服装です。化粧も薄く、ショートカットのため、いわゆる「女性らしさ」はないかもしれません。

しかし落ち着いた雰囲気に惹かれる男性もいるはず。無理に女性らしくしなくても、気の合う男性とお付き合いすることができるのではないでしょうか。筆者がそう伝えてみても、やはり恋愛する気はないとのことでした。

「人と関係を築くのが苦手なので、恋愛なんてどうせ上手くいかないと思います。上手くいかないと疲れますよね。わざわざ疲れることをしようとは思いません」

結婚願望もないし、子どももいらない

もちろん結婚願望も一切ないといいます。子どもがほしいとも思わないそうです。

「結婚願望はありませんね。適度な距離感の友だちがいれば、それでいいと思っています。周りの友だちはどんどん結婚して、子どもを産んでいます。不思議と羨ましいという気持ちは湧きませんね。友人たちが妊娠していたり、子どもが小さかったりすると飲み会に誘いづらいし、旅行にも行けないので、困ってしまいます。

子どももいりません。面倒くさいですね。可愛いとは思いますが、育てるのは大変じゃないですか。一人の人の人生に責任を持ちたくないです」

交際経験もなく、結婚願望もなし。加えて、男性に恋心を抱いたこともないといいます。だからといって、男性が苦手というわけでもないそうです。

「仲のいい男友だちや尊敬する男性の上司はいます。男性が嫌いというわけではありません。でも“そういう目”で見ることができないんですよ。いわゆる『イケメン』とタッグを組んで仕事をしていたことがありました。職場の飲み会で、『誰がいいか』という話になったとき、皆に『その人のことをいいと思っているでしょう』と言われましたが、私自身は同僚を異性として見たことはなく、とても驚きました」

将来は独身者で集まって住む?

長い人生、何があるかわかりません。若い頃は一人で平気でも、この先パートナーがいなくて困ったり、寂しく思ったりする心配はないのでしょうか。

「がんと闘病している女性のTwitterを読んで、こういうときに支えてくれる夫がいると頼もしいなと思いました。また、知人から『ぎっくり腰になって動けなくなり、夫に電話して助けてもらった』という話を聞きました。何かあったときに頼れる人がいないという不安が全くないといったら嘘になりますね。だからといって、そのために結婚することはないです。独身の友人たちと同じマンションに集まって住めばいいんじゃないかな、なんて考えています」

独身同士で近くに住み、何かあったら助け合う。未婚の人が増えるにつれて、そうした生活をする人が増えてくるかもしれません。筆者も結婚の予定がないため、こんな集まりがあったら仲間に入りたいと思いました。

「周囲から『なんで彼氏を作らないの』と聞かれることはもちろんあります。親にも申し訳ない気持ちはありますよ。ここまで恋愛や結婚に興味がない自分には、何か欠陥があるのではないかと思ったこともあります。でも仕事も充実しているし、趣味もあるので、今の生活で充分なんですよ」

そう言って、自分の趣味や仕事について語る由佳さんはとても生き生きしていました。

「友人たちとハイキングに行くのが好きで、最近は奥多摩や軽井沢、秩父に行きました。山頂で火を起こしてアイリッシュコーヒーを作ったり、山を降りてから温泉に入ってビールを飲んだりするのはとても楽しいですよ。スポーツ観戦も好きで、年に数回遠征しています。自由に過ごせるので、ひとりの生活を満喫しています」

結婚をするもしないも、恋愛をするもしないも、個人の自由。周囲から何か言われることがあるかもしれませんが、このまま堂々としていてほしいと思いました。

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中垣内麻衣子 (なかごうち・まいこ)

ライター。千葉県出身。一橋大学社会学部卒。趣味は散歩と外階段の撮影。

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