ひとり焼肉デビューした30代女。好きな肉を選び、好きなペースで焼ける喜びはハンパない
「僕、最近ひとり焼肉にハマってるんです」。以前、ある男性アイドルがインタビュー映像の中で「ひとり焼肉がめちゃくちゃいい!」と熱く語っていました。
なぜ、ひとり焼肉に魅せられているのか? 一番大きな理由は「自分のペースで焼けるから」だとか。
ふと「◯◯を食べたい」と思い立ったら、ひとりで大抵の店に入っていくものの、ひとり焼肉は未経験だった私。
自分の好きなメニューだけを選ぶ喜び、自分のペースで焼いて食べる楽しみって、どんな感じなんだろう?と思い、このたび、「ひとり焼肉デビュー」してきました。
肉の焼き方文化は人それぞれ
普段は誰かとふたりで焼肉に行くことが多いです。一緒に行く相手が男性だったら、「焼く役」を任せることにしています。肉を焼くのが好きな男性、多い気がします。
自分は食べる役に徹しつつ、「焼くの上手いね」と褒めると、いい感じで焼いてくれるのです。焼くペースは違えど、幸いなことに網に肉を大量に乗せるのではなく、ふたり分(一度に2枚ずつ)乗せる人が多いです。
肉をたくさん乗せても、ふたりだとすぐに食べられず、そのうちに肉が硬くなるなど、良いことがありません。まあ、これも各々の「肉の焼き方文化」によるところが多く、文句を言っても仕方ないのかもしれませんが。
一方、一緒に行く相手が女性だったら、私が「焼く役」を担います。「焼いてくれて嬉しい」と言ってくれる女性、実は多いのです。私も、ふたり分ずつ焼くように心がけて、お互いに食べる肉がなくなったタイミングを見計らって、次の肉を焼くようにしています。
『焼肉大学』のレクチャーを参考に、ロースを美味しく焼く
でも、今回は、初めての「ひとり焼肉」。他者のことを気にせず、肉に没頭しよう。そう思い、持参したのが『焼肉大学』(著:鄭大聲、ちくま文庫)です。
焼肉の歴史や文化のほか、人気メニューの「美味しい焼き方」も掲載されています。これを見ながら実践することで、焼肉店に行ったときに肉を美味しく焼く腕前が上がっているはず。
たとえば、ロース。肉質が柔らかく、うま味成分が外に出やすいロースは、脂肪が加熱によって簡単に溶けて肉汁となり、肉の外に流れ出ていく性質があるそう。
『焼肉大学』には「高温で短時間に焼く方がよい」(30頁)と書かれています。強火で短時間軽く焼き、火が通ったらすぐ、網の温度が低めな位置に肉を移動することが推奨されています。
その通りにしたところ、噛んだときに柔らかく、肉汁がじゅわっとにじみ出る、いい感じの焼き具合でいただくことができました。
上カルビはネギをたっぷり乗せて、レア気味でいただく
続いていただくのは上カルビ。本書では、上カルビをネギと一緒にいただく「ネギカルビ」という食べ方が紹介されています。
食べ方はシンプル。余分なすじ肉や脂肪が取られた上カルビの上に、きざみネギをたっぷり盛って焼くだけ。
「焼くときは、ネギを上にして、途中でひっくり返すことはしない。いただくときにはタレではなく、レモン汁がよいだろう」(40頁)
ネギカルビとして食べるため、私もきざみネギをオーダーしました。たった120円で、にんにくと塩、ごま油などで味付けされたネギが、茶碗1杯分くらいのモリモリな量で提供されます。
ネギやにんにくの風味がカルビのジューシーさを引き立ててくれました。裏返さないでミディアムレアくらいの焼き加減でいただきます。この食べ方はハマりそうです。
ひとり焼肉は、肉とじっくり向き合う時間
他にも上タン塩やレバー、キムチ盛り合わせ、わかめスープなどをいただき、胃袋は大満足。
およそ1時間の滞在で、食べたいメニューだけを誰に気兼ねするでもなく、自分が心地よいペースで味わうことができました。
ひとり焼肉は「肉と静かに向き合う」ひとときになります。ひとりだからこそ他者や時間を気にする必要はありません。時間の許す限り、肉の焼き方をいろいろ試すことで、肉をより美味しく焼くレッスンができる場にもなるでしょう。
前述の『焼肉大学』でも、他の焼肉関連本でも良し、書籍を持ち込んで、ひとり焼肉をゆっくり楽しんでみてはいかがでしょう。