「ひとりで住む」のは楽しいけれど、急病のとき大変〜DANROふらっと座談会(3)

「ひとり暮らし」を楽しむ(Photo by Getty Images)
「ひとり暮らし」を楽しむ(Photo by Getty Images)

独身、ひとり暮らしのメンバーでつくる読者コミュニティ「DANROふらっと」。メンバーはどのように「ひとり」を楽しみ、また「ひとり」の課題を抱えているのでしょうか。その実態を座談会で探っていく連載、今回は、嶋啓祐さん(男性)とT.Tさん(女性)が「ひとりで住む」について語ります。

それぞれの住宅事情

DANRO編集部(以下DANRO):今回のテーマは「ひとりで住む」なんですが、まずはT.Tさん、今のお住まいに関して教えていただいていいでしょうか。

T.T: 1LDK、40平米のマンションで、会社からバスで25分。お気に入りは、広いキッチンと三口のガスコンロ。着物が趣味のため、部屋には着物道具が占拠しているコーナーがあります。

DANRO:賃貸ですか?

T.T:賃貸です。借りた時には「本当に一人暮らしですか?」と確認されました(笑)

DANRO:借りるときに苦労しませんでしたか? 中年期の女性ひとり暮らしには貸せないと断られた経験がある、という方もいらっしゃいます。

T.T:今のところ、ないですね。おそらく、前職、現職を含めて、収入に関してそれなりに信用があるんだと思います。最近は連帯保証人もお金で解決できて、親族でなくてもOKですし。

T.Tさん(女性)の自宅。 1LDK、40平米のマンション

DANRO:次に、嶋さんの今のお住まいについて教えてください。

嶋:都内南で、昔からある心地よい商店街とカウンター酒場が多いエリアです。空き家を借りてセルフリノベーションして1か月くらい経ちました。すべて和室で、部屋も多くて持て余しているので、7月から学童保育をやりたい友人にサブリースしようと思っています。

DANRO:そういう物件をどうやって見つけるんですか?

嶋:Facebookで「空き家とか、不本意に相続してしまった家を持ってる人はいませんか?」と書いたら、友人が「叔母の家が空いてるよ」と教えてくれました。

DANRO:おもしろいですね。

嶋:住宅事情に詳しい友人が、東京は空き家がどんどん増えていると言っていたこともあり、試しにそうやって公募したところ、3軒の情報が来たのですよ。

DANRO:3軒も!そして、大家さんと直接交渉して借りるのですか?

嶋:そうです。身上書を書いて持っていき、面接みたいなものがありました。

DANRO:家賃などの条件も直接交渉ですか?

嶋:そうです。その家はしばらく放置されていたこともあり、2トントラック10回分の廃棄物があったので、その分を私が負担して、家賃は相場よりもややお安くしてもらいました。25年間お住まいになられていた方の着物や生活用品などが溢れていました。

DANRO:そういう方法が、いま一番新しい住み方だったりするのかもしれませんね。

嶋:そうかもしれません。実は、こういう住み方はこれで2回目です。

嶋さんの現在の自宅。熊本県八代市のい草を使った畳を新調した

ひとり暮らしの「困った」は病気の時

DANRO:ひとり暮らしで「困った」ということは何かありますか?

嶋:風邪を引いたときや高熱を出した時の食事ですね。

T.T:そうですね。ご飯のストックがない時に限って、高熱で倒れます。

DANRO:そういう時、どうなさっていますか。

T.T:薬でどうにかして、近所のコンビニに駆け込み、当座の食料を調達します。その後、動けるようになるまではひたすら寝ます。

嶋:私は、着られるだけ着て、マスクを二重にしてスーパーにスープとか惣菜を買いに行きます。

DANRO:自力でなんとかするしかないですよね。

嶋:インフルエンザ初日に、近所にいる友人に頼んで、玄関にイチゴと缶のスープ、おかゆのパックなどを置いてもらったことはありました。

T.T:特殊な事例でいうと、1年間の海外勤務が決まった時に、日本の家をどうするかについては悩みました。

DANRO:結局、どうされましたか?

T.T:借りたまま、換気扇を回しておきたかったので、電気も契約したまま、水とガスだけ止めて、家賃を払い続けました。

嶋:わ、それはすごい。

T.T:海外の住まいの家賃は会社持ちでしたし、住宅補助も同額支給のままだったので可能でした。都内で何かあった時に誰かを呼べるように手配する、という条件だったので、親友に託しました。懇意にしている友人の大切さを身にしみて感じました。ただ、やはり友人とはいえ、貴重品と通帳だけは実家に送りました。

嶋:私は2週間の出張時にベランダの大事なハーブが全滅しました。

T.T:そういうのもあって、私は植物や動物には手を出していません。

ひとりの部屋での過ごし方

嶋:困ったことといえば、たまにですが、寂しいから「誰か男性でも女性でも一緒に飲みたい!」という時に困りますね。

DANRO:そういう時は、どうされていますか。

嶋:1人で飲みますね。すると、TVがないとすぐに寝ちゃいます。

DANRO:ひとりの時間は苦手ですか? それともそれなりに楽しめますか?

嶋:TVがなかったときは、お風呂に入ってサクッと飲んでもう寝る、そして早起きして仕事、という感じです。それが楽しいかと言われると、ちょっと楽しくないかなあ。今は久しぶりにTVがあるので楽しいです(笑)

DANRO:T.Tさんは、自宅でのひとりの時間は楽しめますか?

T.T:楽しんでいますね。TVというより、Prime VideoやHulu、FODを見るのと、本好きなので、読書を。ご飯を作るのも好きなので、ソファで食べながら読書やTVを見たりしています。今の家には、読書用の1人掛けソファーを置いてます。

DANRO:家でお酒は飲みますか?

T.T:飲みますよ。ワイン、日本酒、ウイスキー、梅酒(自家製)があるので、適当に。毎日は飲みません。たまに、食事に合わせて、という感じです。ワインは一度開けると、鮮度を気にしてしまうので、小さいボトルが欲しいですよね。

     ◇

T.T
女性。30代後半。目黒区在住。大手企業に勤める会社員。30代で海外勤務を経験、2年前に転職。転職を機に勤務地からなるべく近い場所に転居。料理と着物と読書が趣味で、住まいは趣味のスペースの充実を中心に選ぶ。一番場所を取るのは40枚近くある着物と着付け道具。次点はキッチン周り。ホームパーティやお菓子作りも趣味のうちなので、道具が多い。

嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことがライフワーク。注目しているのは島根(出雲、石見、隠岐)、石川(能登)、佐渡、岩手(釜石、紫波、雫石)、宮城(石巻)北海道(網走)など。総合情報サイト、オールアバウトでフレンチを書き続けて19年に。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。

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