「ゆきゆきて、神軍」原監督が「衝撃ドキュメンタリー」の舞台裏を語り尽くす! ニコ生で一挙3本放送

『ゆきゆきて、神軍』(1987年 / 日本 / 122分)(C)疾走プロダクション

ドキュメンタリー映画界の鬼才・原一男監督(73)が、自分の作品を見ながら、ひとりで何時間も語り尽くすーー。そんな番組「朝まで原一男!監督の生コメンタリー付き3本立て上映」がニコニコ動画で12月7日の22時から放送されます。

ユーザーが書き込むコメントにも答えながら、ドキュメンタリー制作の裏話をとことん語るそうです。原監督は「作り手と見る側が密接にコミュニケーションをしながら、映画を見る試みはとても面白いと思います」と話しています。

「衝撃的」な作品の数々

『極私的エロス・恋歌1974』(1974年 / 日本 / 98分)(C)疾走プロダクション

今回の企画ではまず、『極私的エロス・恋歌1974』(1974年)と『全身小説家』(1994年)の2本を放送しながら、原監督がひとりで語ります。長く話をしたいときは、一度映像を止めて話をします。また、2017年にニコニコで放送されて好評だった 『ゆきゆきて、神軍』(原監督のコメンタリー付き)の再放送も行われます。

どの作品も、被写体の強烈な個性が描き出されています。『極私的エロス・恋歌1974』(98分)は、原監督と男女関係にあった武田美由紀を被写体として、沖縄での黒人米兵との恋と妊娠、アパートの一室での自力出産のシーンなどが映し出されています。出産シーンは撮影のときにレンズがぼやけてしまい、原監督が「一世一代のミス」と後悔したそうですが、それでも衝撃的な映像です。

『全身小説家』(1994年 / 日本 / 157分)(C)疾走プロダクション

『全身小説家』(157分)は、1992年にガンで亡くなった小説家・井上光晴の晩年の5年間を追ったドキュメンタリーです。彼の文学者としての活動やガンと闘う姿が映し出されています。一方で、親族など近しかった関係者たちの証言から、彼が履歴や原体験を詐称していた事実が暴きだされるという問題作です。

再放送される『ゆきゆきて、神軍』(122分)は、原監督の代表作ともいわれる作品です。「天皇の戦争責任」を問い続けた男、 奥崎謙三に迫った衝撃的なドキュメンタリーです。2017年にニコニコ動画で放送したときには、SNSでも大きな反響を呼びました。「これは本当に見るべき作品だ」「作品の裏話が聞けるので、なんて豪華な放送なんだ」といった感想があったといいます。

「映画を立体的に理解できる」

原監督は「朝まで原一男!」の企画を前にして、次のように話しています。

「2017年に『ゆきゆきて、神軍』の生コメンタリーをした時は、見る側とコミュニケーションができて、とても面白かったんです。作り手が話すことによって、映像を見る方向性を与えられる。視聴者は解釈に悩まなくてもいいし、映画を立体的に理解できます。ドキュメンタリーの世界にたっぷりと浸ることができる快適さがあるのではないかと思います」

また、ニコニコドキュメンタリーのプロデューサーの平田まりさんは「ひとりでぜひ見てほしい」と語っています。

「週末の深夜に、ひとりで原監督の世界にどっぷり浸ってほしいです。原監督のドキュメンタリーは、人間の狂気や激しさを生々しく捉えています。それを見ることで、自分を解放できるかもしれません。人間って何だろう。生きるってどういうことだろう。放送を見ながら、そうしたことを考えていただけたらと思います」

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