新型コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が増えました。その時間を読書にあててみるのはいかがでしょうか。
DANROのオーサーたちに「オススメの本」を聞く企画の第3弾。近未来社会を描くSF小説からギリシア悲劇の古典、そして、ひとり暮らしの達人のエッセイまで、バラエティ豊かな作品がそろいました。
今回ご紹介するのは10作品。最後の本は、2人のオーサーが推薦しています。推薦理由を比べてみるのも良いでしょう。
透明性/マルク・デュガン
推薦したオーサー:小野美由紀
グーグルが国家並の権力を持ち、人類は全てのデータを企業に明け渡し、不死を望み、AIにコントロールされる……近未来を丸ごと予期したようなSFは1人で没入するのにぴったり。1人時間が増える今だからこそ読みたい。
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港町食堂/奥田英朗
推薦したオーサー:福島はるみ
作家の奥田さんが「港町へ必ず“船”で渡る」というお題のもと港町を無計画に旅する紀行文(本書では寄港文となってます笑)。ハプニングが起こると多少イライラしながらも笑いにして表現してあり、実際に自分も旅をしている気分になれます。
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福島はるみ
(ふくしま・はるみ)
熊本在住のライター。熊本と東京の出版社を経てフリーランスに。雑誌、書籍、WEBで幅広いジャンルを執筆。ペーパードライバー歴30年で「非モータリゼーション」な生活・仕事スタイルを実践中。タロット占いライターとして『誕生月の本』(自由国民社)を共著。
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両親が元気なうちに“実家じまい”はじめました。/大井あゆみ(文)二平瑞樹(漫画)
推薦したオーサー:山本莉会
知人の献本です。地方出身者にとって悩みの種になりがちな実家問題ですが、「仕事を辞めて実家に戻り親の介護をする」ではなく、「元気なうちに上京してもらい、親に近くに住んでもらう」という新しい方法を提示したエッセイ漫画です。こんな方法もあるのかと思え、ちょっとだけ生きやすくなったのでおすすめします。
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山本莉会
(やまもと・りえ)
1986年生まれ。編集者・ライター。趣味は地図を眺めること。好きな場所は図書館、座右の銘は「借りたものは早く返そう」。
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独り居の日記/ メイ・サートン
推薦したオーサー:藤井誠二
「独りで生きる」ことの深い意味がこめられている本です。独りで居るからこそ向かい合える、あるいは直視しなければならない、人生の大切なものが散りばめられています。
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オイディプス王/ソポクレス
推薦したオーサー:松井政就
人間の持つ不条理を凝縮したかのような本編は言うまでもありませんが、本書の本当のすごさは後に掲載されているアリストテレスによる解説です。ここにはストーリーを書く上での必然性が、極めて端的に書かれています。
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松井政就
(まつい・まさなり)
作家。1966年生まれ。著書に『本物のカジノへ行こう!』(文春新書)『大事なことはみんな女が教えてくれた』(PHP文庫)ほか。ラブレター代筆、ソニーのプランナー、貴重品専門の配送、ネットニュース編集、フィギュアスケート記者、国会議員のスピーチライターなどの経歴あり。外国のカジノ巡りは25年を超え、合法化言い出しっぺの一人。夕刊フジでコラム連載中。
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父の詫び状/向田邦子
推薦したオーサー:吉田正幹
著者は存命なら、私の母と同い年の91歳(昭和4年生まれ)。戦火が激しくなる前の、戦前の日本、市井の人々の生活がいきいきと。母の少女期を垣間見るようで。大好きな脚本家だった向田さんの「素」が詰まっているエッセイ集。かつてライターとして仕事をしていた頃のバイブル。いわゆる「三題噺」のノウハウも随所に。
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吉田正幹
(よしだ・まさもと)
1966年生まれ、千葉県出身。料理のコンセプトは「背伸びをしない、普段着ごはん」。幼い頃から慣れ親しんだ家庭料理が中心で、手抜きしておいしくなるためなら、調理器具や調味料、素材にも「ドンドン頼る」が信条。マスコミ関係の仕事の傍ら、日々の料理をInstagram「アラフィフ男子のキッチン365日」にpostしている。
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国のない男/カート・ヴォネガット
推薦したオーサー:山下みかん
◯◯がなければ「ひとり」を楽しむ資格がない。あなたなら、◯◯にどんな言葉を入れますか。戦後アメリカ最大の作家は、その遺作で、人生における「ユーモア」の重要性を説いています。正解はありませんが、ぼくにとってヒントです。
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山下みかん
(やました・みかん)
四国生まれ。高校卒業後、京都で8年過ごして、上京。ライター・編集者。最近のマイブームは自転車。コタツ記事が好きです。でもインタビュー記事がもっと好きです。猫飼いたい。本屋はじめたい。結婚したい。
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kaze no tanbun 移動図書館の子供たち/西崎憲(プロデュース)
推薦したオーサー:カシハラヒデコ
短編小説とは?という概念を変える本です。
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カシハラヒデコ
コピーライター。広告代理店、メーカー等を経てフリーに。広告からWEB、書籍まで幅広い範囲で執筆。数々のブームを的中させ、ヒット商品を予測するトレンドウオッチャーとしても活動中。著書に『ハヤリもの50年』。
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手づくり食品大百科/家の光協会編
推薦したオーサー:黒部麻子
「おすすめ本を1冊」と言われるとなかなか選べないので、最も身近なところに置き、最も頻繁に開いている本を紹介します。本書があれば、味噌も梅干しもキムチも豆腐もカマボコも、全部自分で作れちゃう。誰かから教わったり、受け継いだりできなくてもいい。伝統食はひとりでも、いつからでも始められる。
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黒部麻子
(くろべ・あさこ)
1981年東京都生まれ。大学を5年かけてなんとか卒業したのち、出版社勤務。2012年に岡山県に移住し、フリーランスに。趣味は野草茶づくり、保存食づくり。狩猟採集生活が理想。女子プロレスと新書が好き。
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嫌われる勇気/岸見一郎、古賀史健
推薦したオーサー:コヤナギユウ
王道過ぎて恥ずかしいのですけど、「課題の分離」って考え方でわが道を行くことを肯定された気がして悩みがなくなりました。
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コヤナギユウ
デザイナー・エディター。1977年新潟県生まれ。「プロの初心者」をモットーに記事を書く。情緒的でありつつ詳細な旅ブログが口コミで広がり、カナダ観光局オーロラ王国ブロガー観光大使、チェコ親善アンバサダー2018を務める。ひょんなことから猫を飼い、2019年2月に乳がん発見のためキャンサートラベラーへ転身。5年後には海外移住してみたいと夢見るアラフォー。神社検定3級、日本酒ナビゲーター、日本旅のペンクラブ会員。
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推薦したオーサー:原貫太
他人の顔色ばかりを気にして生きていた自分が、もっと「自分一人の人生」を生きていいのだと思えた本です。うつ病で休んでいる時にこの本と出会い、人生観が根底から覆った。
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原貫太
(はら・かんた)
1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでバングラデシュのストリートチルドレンやウガンダの元子ども兵、南スーダンの難民を支援してきた。
大学在学中にNPO法人コンフロントワールドを設立し、新卒で国際協力を仕事にする。また、出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞した。
大学卒業後に適応障害を発症し、同法人の活動から離れる。半年間の闘病生活を経てフリーランスとして活動を再開。現在はアフリカと日本を行き来しながら、国際協力をテーマに多様な働き方を実践している。著書『世界を無視しない大人になるために』
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今回はここまで。このシリーズ、まだまだ続きます。第4弾は、別の記事で紹介したいと思います。
【第1弾】「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(1)
【第2弾】「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(2)
【第4弾】「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(4)
【第5弾】「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(5)
DANRO編集部
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