女31歳、結婚したい理由がわからない

「結婚したい理由がわからない」というカオリさん(イラスト・古本有美)
「結婚したい理由がわからない」というカオリさん(イラスト・古本有美)

「おひとりさま」の女性が増えています。東京都内に住むアラサー女子、カオリさん(仮名)もその一人。彼女の場合、結婚したいけど結婚できないわけではありません。そもそも「結婚したい理由がわからない」というのです。なぜ、そんなふうに思うのでしょうか。彼女の本音をつづった文章を寄稿してもらいました。

世間の「結婚したい理由」への7つの反論

女31歳、独身。まわりの女友達もどんどん結婚・出産をしていき、今や独身は少数派となりました。20代の女の子が「ふぇ~ん結婚したぁい!」というたびに「まじで?」となり、50過ぎのおじさんに「とかなんとか言って、焦ってるんでしょ?」と聞かれるたびに「なんか違うんだよな~」と思ってきました。

「結婚したくない」というよりは、「結婚したい理由がない」というのが正直なところ。なので、世の人々の「結婚したい理由」への反論(?)を書いていきたいと思います。

(1) 1人で寂しくないの?

私の場合、会社員なので週に5日は会社に行かなければなりません。つーことはですよ、どんなに頑張っても週に2日しか、1人でいられないんですよ。1人でいられる時間の方が圧倒的に少ないのに、それでもみなさん寂しいんですか? ちょっとよくわかりません。週2日くらいは1人の時間を確保したい。

(2)体調悪くなったらどうするの?

体調悪いときほど、他人と一緒にいたくないです。お腹を壊してトイレにこもっていたり、鼻水かんだティッシュをゴミ箱に捨てる体力すらなくて、ゴミが部屋に散乱しているときこそ、「私、本当にひとり暮らしでよかった!!!」と思います。こんなかっこ悪いところ、他人に見せたくないもん。

もし、本当にやばいときは、誰かがいたってしょうがないし。救急車呼ぶしかないでしょ。呼べないくらいしんどいときに、誰もいない可能性は誰にだってあるでしょ。

むしろ、救急車呼ぶ要因のために誰かと暮らせってことですか? その方が失礼な気が。

(3)老後どうするつもり?

結婚したら老後は安泰なんですか? 1人分より、2人分の老後を蓄える方が絶対に大変だと思うのですが。たとえ子どもがいたとて、「家族であること」を理由に自分の世話(負担)を押しつけることを、私はしたくありません。

お金で自分の世話をしてもらう方が、私も世話をしてくれる人もウィンウィンだから「申し訳ない」っていう気持ちもわかずに済むし。そのためにお金を貯めておきます。

(4)結婚式あげたくないの?

めっちゃ気持ち悪いと思っています。

なぜ、自分のお祝い事に他人を巻き込むのでしょうか。しかも3万円もまきあげて。その3万円の中には自分のドレス代も含まれるんですよね? 理解できません。食事中に中座させて、ケーキを食べさせあっている姿を写真に撮らせるプレーも誰得なんだろう。どうせすぐにその写真は消されるのに。

なぜ、みんなそれをわかっていてこの茶番を繰り返すのか。「私のときもしてもらったし!」っていうあれか。それなら不幸の連鎖を早く断ち切るべきだと思います。

(5)親が悲しむんじゃないの?

そもそも、私を育てた母親が、ばりばりのフェミニストなので、全くそれがないのです。私の名前をつけたときも、父親が「女の子は名字が変わるから、わかりやすい名前が一番だ」と言ったところ、母親が「なんで女だからって名字が変わるって決めつけるんだよ」と激ギレしたそうです。両親は仲良しですが、今でも「父さんの家に入ったわけじゃないので、お墓は別にしてほしい。できないなら離婚する」と相変わらず怒っています。

娘が結婚しないと悲しむ親ばかりではありません。

(6)1人じゃできないこともあるでしょう?

話は少し飛びますが、奈良の鹿を守る「愛護会」には、夜中にケガをしたり、迷子になった鹿に対応するための宿直勤務があります。自分よりも大きな鹿を保護しなきゃいけないときもあるので、大変だろうなと思いきや、宿直は1人で行うそうです。その理由を聞くと「1人でできないことは2人でもできない。2人でできることは1人でもできるから」だそうです。

人生もそうじゃないですか。2人じゃなきゃできないことって、何かありますか。

(7)子どもほしくないの?

まだピンとこない。この人の子どもが欲しい!と思えるようになったら(1)~(6)のデメリット(失敬)をぶっ飛ばして結婚へ踏み切れるのでしょうか。それならそれで楽しみだ。でも、子どものために結婚する必要はあるのかな。シングルマザー・シングルファザーで立派に育っている人も、たくさん知っているので、それが結婚しなきゃいけない理由にはならないなあ。

とまあ、色々あげてみましたが、明日あたりに運命の恋が始まって、来年あたりに結婚しているかもしれません。あしからず。

でも今のところ、最強に楽しく生きていますので、心配ご無用です。

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