アラサー女子10年で変化「ひとりはかっこいい」 Oggi副編集長に聞く
![女性誌「Oggi」副編集長の鈴木智恵さん](https://danro.bar/wp/wp-content/uploads/2020/12/41e3743ddae3df3702420be34a95d9c2.jpg)
おひとりさまブームが到来ーー。最近、女性誌で「おひとりさま特集」があいついでいますが、アラサーの女性たちの間にも波が来ています。働くアラサー女子向け雑誌「Oggi」が2018年5月号で「ソロ充ライフのススメ」を特集したところ、読者からの反響が大きく、「ソロ」特集は今も続いています。アラサー女性の間に広がる「おひとりさま」ブームの理由を、Oggi副編集長の鈴木智恵さんに聞きました。(取材・伊藤あかり)
![「Oggi」2018年5月号は「ソロ活動最前線」の特集](https://danro.bar/wp/wp-content/uploads/2020/12/8a4be494d966ee06adf5238b4a15873c.jpg)
欲しいものは「ひとりの時間」
ソロ特集が生まれたきっかけは読者の声でした。「100万円あったら何がしたいですか?」の質問に、「ひとり旅をしたい」「おいしいものを好きなだけ買ってひとりで食べたい」など「ひとりで○○」という答えが多く寄せられたそうです。
鈴木さんは10年前にもOggiの編集部員を経験し、Domani(働くアラフォー女性向け)や美的(美容・コスメ情報)を経て、半年前に戻ってきたばかり。「家族や彼氏、友達、恋人と一緒に、という『誰かと何かしたい』ではないんだなと驚きました。SNSのおかげで常に誰かとつながっている。だからこそ、ひとりの時間が貴重で贅沢なのかなと感じました」。
![「ソロ活」特集について説明するOggi副編集長の鈴木智恵さん](https://danro.bar/wp/wp-content/uploads/2020/12/43af38912820735a1f62cf21dc4ee4bb.jpg)
「かわいそう」から「かっこいい」へ
「ひとり」という言葉のイメージも、10年前の「友達いないのかな」「かわいそう」から、「ひとりを楽しめる女性はかっこいい」に変化したといいます。
ひとりを楽しめるのは、大人の証。経験と経済力があるからできる贅沢な遊びと考えている人も多いそうです。鈴木さんも「例えば20代女性なら一人でコース料理を食べに行っても、『マナー大丈夫かな?』『こんな高い金額払えるかな?』と不安なこともあるかもしれません。だけど、30代女性はマナーという経験値もあり、経済的にも自立しているからこそ『ひとり』を存分に楽しめるのでは」と推測します。
![Oggi8月号では「ソロ女旅」を特集](https://danro.bar/wp/wp-content/uploads/2020/12/358ac16293784567c39e1bbe515a475c.jpg)
キャリアアップに必要な時間
もうひとつ、30代女性が「ひとりの時間」を求める動機として、より大きな仕事をしたい、キャリアアップしたいという気持ちも大きく働いているといいます。結婚しても仕事を続けたいという方が増え、30代はスキルアップに力を入れる時期と考える人も多いそうです。だからこそ、ひとりの時間を作り、興味にそったセミナーに参加したい、勉強時間を確保したいという思いも強いのかもしれません。
雑誌を作る上で気をつけていることは「ひとりは恥ずかしい」という前提に立たないこと。「例えば、レストランに行った時にテーブルにスマホを置いておくと、“友達を待っている人“に見えるよ、とか(笑)。もちろん、やみくもにひとりを推奨するのではなく、旅行先ではひとりで危ないところにいかないで、などの注意はしますが」。
![Oggi5月号では結婚しない「ソロライフ」を紹介](https://danro.bar/wp/wp-content/uploads/2020/12/a6dd2fcbae75a4577145618059bba3d4.jpg)
女性誌が「独身もいいよ」
5月号では番外編として「結婚しない“ソロライフ”」についても踏み込みました。アラフォー独身女性2人のケースを紹介。「時間もお金も恋愛も自由にできる、ひとりの生活の方が性にあっているかもしれない」「さみしさを癒やす方法は結婚だけではない」「何がおきるかわからないひとりの人生が楽しみ」とソロライフを充実させるコメントを掲載しています。
アラサー雑誌で結婚に対して「しなくてもいい」「ソロもいいよ」という提案は斬新なのでは?と思いきや、Oggiでは2017年12月号でも「婚活疲れ」をテーマに「結婚しなきゃいけないの?」という声も掲載しています。鈴木さんは「10年前なら40代で独身、というと『触れてはいけないもの』という意識もあった。でも今は、キラキラした先輩独身女性がたくさんいて、憧れの対象となっているのでしょう」と話しています。
「ひとり」を「かわいそう」と思う方が時代遅れ? 「やってみたいけど、ひとりでやるのはちょっとなあ」と諦めていたことに挑戦してみるチャンスなのかもしれません。
【編集部追記】2021年4月現在、鈴木智恵さんは雑誌『美的』の編集長を務めています。
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