「土鍋があれば、ひとりの夜が楽しくなる」簡単で美味しいレシピを紹介

牛薄切り肉とクレソンの鍋(『ひとり小鍋』福森道歩・著/東京書籍より。撮影=竹内章雄)
牛薄切り肉とクレソンの鍋(『ひとり小鍋』福森道歩・著/東京書籍より。撮影=竹内章雄)

「ひとりの方にこそ、もっと土鍋の魅力と使いこなし方を知ってもらいたい」。そう語るのは、陶芸家で料理人の福森道歩さんです。10月下旬に東京書籍から料理本『ひとり小鍋』を出版しました。本の中で「土鍋」を使ったひとり分の料理のレシピを紹介しています。福森さんは「はじめに」で、土鍋は「ひとりの夜をこの上なく楽しく、おいしくしてくれる」としています。

『ひとり小鍋』福森道歩・著(東京書籍)の表紙。撮影=竹内章雄

一年中使える優秀な土鍋

福森道歩さん(『ひとり小鍋』福森道歩・著/東京書籍より。撮影=竹内章雄)

土鍋というと、寒いシーズンに家族や仲間と囲んで食事するイメージがあるかもしれません。しかし、福森さんは「一年中、ひとりでも使える」と力説しながら、次のように語ります。

「土鍋はいわゆる『鍋物』や『煮炊き』だけでなく、『炒める』『焼く』『蒸す』といった様々な調理法ができる優秀な調理器具として、一年中使えます。そのまま食卓にのせられる『器』になる有能さも兼ね備えています。 ひとりだからこそ、この有能さを存分に堪能でき、さらに洗い物も少なくなって一挙両得です」

本の中では、シンプルな土鍋料理のレシピが紹介されています。福森さんによると、「土鍋初心者」に特に勧めたいのは、2つの素材だけで作る小鍋についての章とのこと。簡単に済ませたい夕食やひとり呑みの相方にはぴったりです。

豚薄切り肉とトマトの鍋(『ひとり小鍋』福森道歩・著/東京書籍より。撮影=竹内章雄)

たとえば、「豚薄切り肉とトマトの鍋」のレシピが紹介されています。まず、豚肉は食べやすい大きさに切り、トマトはくし形に切ります。そして、土鍋に入れただし汁を弱めの中火で温め、豚肉とトマトを入れます。塩・こしょうで味を整えると完成です。

ぶりとかぶのみぞれ鍋(『ひとり小鍋』福森道歩・著/東京書籍より。撮影=竹内章雄)

また「ぶりとかぶのみぞれ鍋」のレシピも紹介しています。だし汁とすりおろしたかぶを、弱めの中火で温めます。そこに、くし形に切ったかぶを入れて、ふたをして煮ます。最後に刺身用のぶりを入れて、ひと煮すれば出来上がりです。

ミニトマトのチーズ焼き(『ひとり小鍋』福森道歩・著/東京書籍より。撮影=竹内章雄)

鍋物以外では、たとえば、ミニトマトのチーズ焼きが紹介されています。土鍋にオリーブオイルを入れて、ヘタをとったミニトマトとちぎったモッツァレラチーズを入れます。オーブントースターで、チーズが溶けて焼き色がつくまで焼くと完成です。土鍋は耐熱性が高いため、グラタン皿の代わりになるそうです。食べるときに器として使用すると、冷めにくいのも魅力的です。

「おいしい時間を大切にしてほしい」

家に土鍋がひとつあるだけで、ひとりご飯の幅が広がりそうです。著者の福森さんは、読者に向けて次のように語っています。

「日々忙しく働いていて、『自分のためだけにあれやこれやと作るのは面倒だな。適当なものですませよう』って思っている方にこそ、その適当なもので済ませる役目を『土鍋』に任せていただければと思っています。自分へのご褒美としての『おいしい時間』を大切にしていただきたいと思います」

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