40代のオッサンも使える! 女子高生だけじゃない「TikTok」の楽しみ方

2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)にもノミネートされたユーザー参加型ショートムービーアプリの「TikTok」(ティックトック)。「女子高生が、音楽に合わせて踊るのを自撮りするアプリでしょ」と、30、40代が多いDANROの読者には縁遠い存在に思えるかもしれません。ところが、女子高生とは違った形で、この世代のユーザーがじわじわと増えているそうです。

年配ユーザーが増えても「若者離れ」が起きない秘策

「日本のユーザーの30%以上が26歳以上」と説明するのは、運営会社「Bytedance」の井藤理人グローバル・ビジネスデベロップメント本部長です。

中国で立ち上がり、今や世界150カ国以上でサービスを提供しているTikTokですが、スマートフォンの扱いに慣れた10代、20代の間で最初に火がついたのは、日本も同じでした。それが次第に、上の年齢層にもユーザーが広がっているそうで、本場中国では既にお年寄りも使っているとか。

30、40代などで広がる使い方は、日中ともに「自撮り」ではありません。旅行中の景色やおいしいもの、家族とのスナップを撮影し、それに音楽をつけて配信するのだそうです。配信した動画には、撮影場所をタグ付けできるので、「このお店は西麻布のおでん屋」と見た人に知らせることもできます。

一方で、フェイスブックなど従来のソーシャルメディアでは、年齢の高いユーザーが増えると、若年層が離れていく傾向がありました。その点、TikTokは「対策は万全」とのこと。

人工知能を使い、10代が見たくなさそうな年配層のコンテンツは、おすすめの動画として上がってこないような機能をつけているそうです。井藤さんは「興味がない映像は、それを通知するボタンを押すと、その後はそうした映像が上がらなくなる。だから、そこの部分は全く心配していないですね」と話します。

音楽配信サービスと提携「もっと大きくなる」

井藤さんによると、中国では、TikTokで流行した楽曲が、音楽チャートに大きな影響を与えるようになっているそうです。

そのような中、TikTokは10月、定額制音楽ストリーミングサービス「AWA」(アワ)と業務提携をしました。これにより、「U.S.A.」がヒットしたDA PUMPや、倖田來未などの楽曲2万5000曲が、新たにTikTokの動画撮影時に利用できるようになりました。

AWAの小野哲太郎社長は「若い子たちがどこで音楽と出会っているかというとTikTok、という流れが強くなっている。色々と一緒にやることで、TikTokで音楽と出会うと結果的にAWAで音楽を聞く、という流れになるのが一番いい」と話します。

TikTokの将来性について小野さんは「30代中盤の僕が初めてTikTokに触った時は、いったい何をしたら良いか分からなかったが、理解できるようになると、ここからもっと大きくなるだろうなと感じた」と語ります。

旅行に出かけ、景色を撮ってアップするのは、写真共有アプリのインスタグラムでもできるけれど、それにBGMをつけられるTikTokの楽しみ方に魅力を感じたそうです。表示する動画のAI制御についても「その安心感で、使っている人の幅はさらに広がるだろう」と分析しています。

2019年の抱負として、「よりユーザーのデモグラフィック(性別、年齢、住んでいる地域などの社会経済的な特質データ)を広げていきたい」と話す井藤さん。これまでの「踊っている様子を自撮りする」以外の様々な使われ方が広がることで、TikTokの世界の奥行きが広がることを期待しています。

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