ソロキャンプにも役立つ「キャンプ場検索サイト」立ち上げたこだわりは?

ExCAMPの運営会社の塚崎浩平・代表取締役CEO(左)と三浦大地CTO
ExCAMPの運営会社の塚崎浩平・代表取締役CEO(左)と三浦大地CTO

最近、ソロキャンプ(一人キャンプ)がはやっていると聞きます。夏休みに「一人でどこかにキャンプに行きたいな」と思っている人もいるのではないでしょうか。そんなソロキャンプにも役立つウェブサービスが今年、立ち上がりました。どういう思いでやっているのでしょうか。運営会社である筑波大学発スタートアップ「forent 」(茨城県つくば市)の塚崎浩平・代表取締役CEO(23)と三浦大地CTO(24)にそのこだわりを聞きました。

キャンプ場検索サイト「ExCAMP」のトップページ

写真を元に、簡単検索

2人が運営するのは、ユーザーたちが投稿するキャンプ生活の写真を元に、自分に合ったキャンプ場を探しやすくする検索サイト「ExCAMP」。ペット連れでも大丈夫か、釣りができるか、などの条件を元に、それぞれのスタイルに合ったキャンプ場を簡単に検索することもできます。今までに行ったことのあるキャンプ場や、これから行きたいキャンプ場を登録し、ストックすることもできます。

写真を通じて、それぞれのキャンプ地のイメージをつかめる

例えば、あるキャンプ場の写真を見て、「海沿いにあって景色がきれいそうなキャンプ場だな」と思い、その写真をクリックすると、「夕日ケ丘キャンプ場」と出てきます。その表示をクリックすると、こんな説明文が出てきます。

「このキャンプ場は、駿河湾を眺められる高台に位置しています。夜には満点の星空も満喫することができます。通年営業しているので、四季それぞれの魅力を楽しむことができます。家族や友人と思い出作りをしたい方にオススメです」

さらに、住所や地図、利用料金などの情報が表示されます。

それぞれのキャンプの地図や利用料金などの情報もチェックできる

地方生まれ、自然に関する仕事がやりたい

このExCAMPを運営する塚崎さんは佐賀県鳥栖市生まれ。その後移った神奈川県での生活の方が長いそうですが、佐賀県には祖父母がいて、自然豊かな旧三瀬村(現佐賀市)によく遊びに行っていました。三浦さんは島根県松江市の出身で、地元にいる時は毎週、釣りに行くような感じでした。2人とも、自然に関する仕事がやりたいと思っていて、子どもの頃などにキャンプを楽しんだ経験があったことから、今年になって今のサービスを立ち上げました。

サイトはインスタグラムと連携していて、きれいな星空など約2000枚の写真が投稿されています。塚崎さんは「ソロキャンプと僕らのサイトは相性が良い。バイクでツーリングに行かれている方などが、良い風景の写真が取れる場所を探して、載せてくれていますね」と話します。

このサイトでは、全国各地の「使われていない私有地」をキャンプに活用するための取り組みも進めており、7月からは私有地を提供してくれる人たちの募集も始めました。

7月24日現在、茨城県内や東京都の奥多摩など計10カ所が登録されています。そのうちの一つは、茨城県土浦市の高台にある温泉旅館が持つ遊休地。ユーザーはそこでキャンプを楽しみつつ、旅館で温泉や食事も堪能することができます。旅館とユーザーの双方がウィンウィンの関係を結べるようにしているそうです。

遊休地をキャンプ地として提供する温泉旅館

三浦さんは「ソロキャンパーの人たちは、落ち着いた場所でキャンプしたいという思いがあります。既存のキャンプ場だと、どうしても周りに人がいてしまうけれど、遊休地ならばその場所を丸々貸し切ることができるので、ソロキャンパーにも向いている」と語ります。

釣りもキャンプも「変数」の多さが魅力

塚崎さんはこの春、筑波大学を卒業したばかりです。大学では、理工学群社会工学類でデータ分析をしていました。三浦さんは筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピューターサイエンス専攻の修士2年で、現在、事業に集中するために休学中です。

三浦さんは趣味の釣りについて、「ルアーを使って釣るのですが、ルアーによって魚の反応が全然違う。あと、釣りざおを変えてみたりとか結構『変数』が多くて、これをこう変えたらいい感じの反応だった、みたいなのを探るのが楽しい」と話します。

それを受けて塚崎さんが持論を語りました。

「三浦は『釣りは変数が多いから良い』と言っていましたが、僕はキャンプの方が変数が多いと思っている。行く道中の雰囲気、行った場所の景色、どのテントセットでやるか、誰とやるか、何を食べるか……。ひたすら組み合わせがあるので、そういう意味では既存のキャンプ場だけでは足りず、遊休地は一つのソリューションになる」

塚崎さんたちの会社は、筑波大学産学リエゾン共同研究センターにオフィスを構えている

昨今、地方都市や郊外を中心に、利用されずに放置されたままになっている「空き家・空き地」が大きな課題となっています。遊休地をキャンプ場として活用することは、その解決策の一つになるのでは、という考えもあります。

塚崎さんは「一人で火を眺めると、火を見ているだけで何か集中力が増して、川の音だったり、鳥の音だったりに囲まれ、一種、禅っぽい感じになるんですよね。都心の喧騒(けんそう)から離れたい人とかは、ソロキャンプって意外に良いんじゃないかなって思います」と話しています。

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