「ソロキャンプなら荷物を少なく」は本当か?パッキングで⼤切な3つのポイント

ソロキャンプに常につきまとう「荷物」の問題(Photo by Pixabay)

ソロキャンプについてよく言われる「荷物は少なくするべき」という言葉。ひとりだと「荷物を運搬するのが大変だから」とか、「準備に時間がかかるから」ということが、主な理由です。

しかしソロキャンプは、誰にも邪魔されることなく、ひとりで好きなように楽しめるのが魅力のはず。誰かが言った「ソロキャンプは荷物を少なく」という言葉が呪縛になってしまってはいけない、と感じます。

ソロキャンプだからといって、常に道具を少なくする必要はありません。モノにあふれたソロキャンプも、それはそれで楽しいものです。

大きなコンテナにありったけのキャンプ用品を詰め込み、キャンプ場へ向かう。すると、現地についてから「久しぶりにあれを使ってみようか」と思いついたりします。ちょっとした気まぐれから、想定していなかった楽しみが生まれることもあるのです。

このように私は考えていますが、ソロキャンプの状況によっては、確かに荷物を少なくするべきときがあるのは事実です。今回は、そのようなキャンプの際に役立つ、荷物のパッキングで⼤切な3つのポイントを紹介します。

荷物を少なくするべき状況とは?

バックパックひとつでキャンプを楽しむ人も(Photo by Pixabay)

荷物を少なくするべきキャンプの状況とは、たとえば以下の3つです。

・徒歩や電車で現地へ向かうキャンプ

・キャンプツーリング

・登山をともなうキャンプ

車であれば、本当に使用するかどうかを気にせず、荷物を詰め込むことができます。しかし、徒歩・バイク・自転車、もしくは公共交通機関を利用してキャンプにいくとなると話は別です。

バイクや自転車においては、荷物が多いとバランスを崩す原因になるうえに、積載の仕方が不完全だと荷崩れの危険性もあります。さらにキャリア(荷台)の破損にもつながりかねないため、荷物の重量はきちんと考えておかなくてはなりません。

また、「リュックにキャンプ用品を入れて背負い、登山をしてからそのままキャンプ」といった計画を立てるのであれば、荷物は必要最低限にとどめておくべきでしょう。場合によってはグラム単位で荷物の重量を管理し、パッキング(荷づくり)の仕方も工夫する必要があります。

こういった「荷物を少なくするべき状況」において、キャンプの準備をおこなう際には、以下に挙げる3つのパッキングのポイントを参考にしてください。

パッキングのポイント1:なるべくゴミが出ないように工夫する

ゴミを減らすのに役立つジップロック(撮影:斎藤純平)

ゴミはたいていの場合、食材の包装や料理で発生した残飯など「飲食物」にまつわるものです。そのため、ゴミを減らすにあたっては、食材の持ち運びの方法を工夫しましょう。

たとえば、あらかじめ肉や魚をトレーからジップロックなどに詰め替えておいたり、調味料を小さめの容器に移し替えておいたりする、といった方法があります。食材のカットや味つけを家で済ませておくのも、ひとつの手です。そうすることにより、まな板や包丁をキャンプに持っていく必要がなくなり、料理の時短にもつながります。

なにより大切なのは、必要以上に食材を持っていかないことです。

キャンプ当日、あるいは数日前に行う食材の買い出し。楽しいキャンプへの期待感も手伝い、上機嫌にあれもこれもと買ってしまいがちです。そのようなとき、買い物カゴに入れている食材がすべて自分の胃袋に入るのかを、冷静に考えてみてください。

食材を買いすぎると、荷物が多くなるのは当然のこと。余ってしまったら、次の日に撤収するときにも荷物を圧迫してしまいます。

思いっきり食べたり飲んだりして過ごすのも、ソロキャンプの楽しみ方のひとつでしょう。しかし、食材を買いすぎるとたいてい良いことにならないというのが、多くのキャンプ経験者が持っている教訓ではないでしょうか。

パッキングのポイント2:使用頻度が低い道具からバッグに詰める

道具ごとの使用頻度は人それぞれ(撮影:斎藤純平)

キャンプ用品をバッグなどにパッキングする際は、詰める順番がとても重要になります。手袋などの使用頻度が高いものは、出し入れがしやすいように上部へ。逆に着替えなどの使用頻度が低いものは下部へ入れるようにするのがセオリーです。こうすることによって、道具を取り出すときにバッグのなかがメチャクチャになってしまうのを防ぐことができます。

たとえ準備の段階で綺麗にパッキングできていても、途中でバッグの中身が乱れてしまうと、最初はきれいに収まっていた道具が入らなくなってしまうことも。きちんと順番を考えてバッグに詰めるのは、荷物をコンパクトにパッキングするために大切なことなのです。

また、バッグにサイドポケットが備わっている場合はそちらも上手く活用しましょう。なかには、カラビナやポーチを追加するためのリングがたくさんついているリュックもあります。

もし、新たにキャンプ用のバッグを購入しようと考えているのであれば、あとからキャンプ用品が増えることを考えて、拡張性に優れている製品を選ぶのもおすすめです。

パッキングのポイント3:テントやタープはほどほどのサイズにする

テントやタープは大きいほど、設営・撤収に手間がかかります。(撮影:斎藤純平)

ソロキャンプにおいて、手頃なサイズのテント・タープをおすすめする理由は2つあります。1つめの理由は、当然のことながらコンパクトなほうが持ち運びがしやすいこと。2つめの理由は、テントやタープが大きすぎると、ひとりで設営や撤収をするのに苦労することがある、ということです。

とくに、ソロキャンプの経験がまだそれほど多くない方は、設営に時間がかかるものです。風が強い日などは設営の難易度が跳ね上がります。

タープが風であおられて、それを押さえるために右往左往。あと少しで完成というところで、反対側のポールが倒れてやり直し。これでは、キャンプを楽しむどころではありません。雨が降っている状況では、さらに悲惨なものとなるでしょう。

そのため、ソロキャンプでは、簡単に設営できてすぐに使えるテント・タープを選ぶのがベター。コンパクトさを重視するなら1人用のテント、コンパクトさと快適性を両立したいのであれば2人用のテントがおすすめです。

設営スピードにこだわるのであれば、ワンタッチテントが最適でしょう。タープは3m×3mほどのサイズであれば、初心者の方でもそれほど苦労することなく設営できるはずです。

    ◇

最初に述べたように、ソロキャンプだからといって、かならずしも荷物を少なくする必要はありません。ただし、「今回のキャンプは荷物が多くても問題ないか」や、持っていくキャンプ用品が「ひとりで無理なく準備・撤収が可能かどうか」などは考えるべきです。

それらの点を考慮したうえで、車の積載スペースいっぱいに自慢のキャンプ用品を積んで出かけるか、あるいはムダを極限まで削り落とし、リュックひとつ背負って挑むのかはあなた次第。それぞれのスタイルで、自由気ままにソロキャンプを楽しみましょう。

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斎藤純平 (さいとう・じゅんぺい)

キャンプ・旅行・温泉・ラーメンが好きなアウトドアライター。キャンプ歴は10年。47都道府県全て、ひとりで巡った経験があり、国内の世界遺産・神社仏閣・温泉などに関する知識が豊富。ソロキャンプは、無計画に出発して全てを思いつきに任せるのが自分流の楽しみ方。

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