東京にいながら全国ひとり旅、地酒やご当地グルメが楽しめる「アンテナショップ巡り」

「日本橋とやま館」富山県内の木材で造られた温かみのあるバーカウンター
「日本橋とやま館」富山県内の木材で造られた温かみのあるバーカウンター

新型コロナウイルスが猛威を振るう中、いつ旅行に行けるのだろうかと、もどかしい思いをしている人も多いのではないでしょうか。

そんな人たちに、新型コロナウイルスの流行が収束したら試してほしいのが、「アンテナショップ巡り」です。東京都内には、各都道府県のアンテナショップがあり、現地の名産品にふれることで、東京にいながら「ひとり旅」気分を味わうことができます。

バーカウンターやレストランが併設されているお店が多く、私もひとりで立ち寄っては、ご当地グルメや地酒を味わったり、お土産を買ったりして、「ひとり旅」気分に浸っています。このコラムでは、そんな私がおすすめするアンテナショップを5つご紹介します。

スタイリッシュなバーカウンターで富山の味を堪能

壁のデザインは立山連峰をイメージしたもの(日本橋とやま館)
壁のデザインは立山連峰をイメージしたもの(日本橋とやま館)

最初に紹介するのは、スタイリッシュなバーカウンターで飲み比べを楽しめる「日本橋とやま館」。富山県内の17の酒蔵の日本酒が並んでおり、気になる銘柄を選んで富山ならではの肴とともに飲み比べができます。

展示されている銘柄から気になったものを選ぶ(日本橋とやま館)
展示されている銘柄から気になったものを選ぶ(日本橋とやま館)

一番人気は3種の飲み比べセット(税込み700円)。「利酒師」の資格を持つスタッフに相談しながら気になる銘柄を選びます。

おすすめのおつまみは、旬の「ほたるいかの3種盛」と漁港の隣町で造られた「本江酒造・純米吟醸 前田慶次」のペアリング。お酒とおつまみの産地が近いものを合わせるのがポイントなのだとか。

店内には様々な富山土産も(日本橋とやま館)
店内には様々な富山土産も(日本橋とやま館)

バーカウンターで提供しているお酒やおつまみのほとんどが、ショップフロアで購入可能です。バーカウンターでも自宅でも富山の味を楽しむことができます。

「お気に入りのお酒とおつまみを見つけていただくのが、バーカウンターの楽しみ方の一つです。富山のおいしいものに出会うきっかけの場所として、バーラウンジを是非ご活用ください」(店舗スタッフの重田さん)

<店舗情報>
日本橋とやま館
東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
03-6262-2723

濃厚な地酒にほろ酔い気分、滋賀県のアンテナショップ

信楽焼で造られたバーカウンター(ここ滋賀)
信楽焼で造られたバーカウンター(ここ滋賀)

次に紹介するのは滋賀のアンテナショップ「ここ滋賀」。濃厚な日本酒が好きな人におすすめの場所です。滋賀の地酒とおつまみを楽しむことができます。

日本酒のメニューはあえて用意してありません。その代わりに、滋賀県内にある33の酒蔵を示したマップを見ながら、どのようなお酒が好みかをスタッフに相談して、頼むお酒を決めます。

酒蔵の位置を示したマップと地酒4種の飲み比べセット(ここ滋賀)
酒蔵の位置を示したマップと地酒4種の飲み比べセット(ここ滋賀)

私が頼んだのは、「地酒4種の飲み比べセット」(税込み1000円)。33の酒蔵の中から好みのお酒を選ぶことができます。私はこれだけで酔ってしまいました。おつまみには、「鮒ずし」「炊き赤こんにゃく」がおすすめです。濃い味のおつまみは濃厚な地酒と相性が良く、滋賀の味覚を存分に味わえます。

マップでは注文した銘柄の酒蔵の位置にスタンプを押してくれるので、33の酒蔵を制覇するためにスタンプラリー感覚でリピーターになる人も多いそうです。

様々なお土産が販売されている(ここ滋賀)
様々なお土産が販売されている(ここ滋賀)

おすすめのお土産は、信楽の特産、たぬきの置物をモチーフにした和菓子の「狸の腹つつみ」。同じく信楽の特産である「朝宮茶」の抹茶を使用した餡(あん)が入っていて、やさしい味わいです。

「少しでも興味が湧いたら、滋賀の水・食・酒をお試しにぜひお越しください」(店舗スタッフの箕田さん)

<店舗情報>
ここ滋賀
東京都中央区日本橋2-7-1
03-6281-9871

淡麗辛口な日本酒がおいしい高知県のアンテナショップ

地下1階の試飲コーナー(まるごと高知)
地下1階の試飲コーナー(まるごと高知)

すっきりとした日本酒が好きな人におすすめなのが「まるごと高知」。県内18の酒蔵すべての日本酒を取り扱い、年間およそ400ものお酒を味わうことができるのだとか。お酒好きにはたまらないアンテナショップです。

「ためし酒」セットはお猪口3杯+おつまみ(まるごと高知)
「ためし酒」セットはお猪口3杯+おつまみ(まるごと高知)

地下1階の試飲コーナーでは、地酒3種の飲み比べを楽しめます。定番、旬、おすすめの3つの軸で、スタッフがお客さんの好みを聞きながら、合いそうなものを提案してくれます。おつまみもついて税込み650円と、お財布にも優しいセットです。

淡麗辛口なお酒が多い高知県。口当たりが良く飲みやすさに定評があるそうです。このアンテナショップで取り扱うお酒も9割以上が辛口とのこと。水脈の違いによって味わいが異なり、飲み比べにハマる人が多いそうです。

店内にはさまざまなお酒がある並んでいる(まるごと高知)
店内にはさまざまなお酒がある並んでいる(まるごと高知)

副店長がおすすめするのは、高知県が全国一位の生産量を誇るゆずを使った「美丈夫ゆずしゅわっ!!」とおつまみの「ゆずがり」。特に「美丈夫ゆずしゅわっ!!」は高知県産ゆずを使用したリキュールで風味が格別です。

「ひとり飲みの方が多いので、ぜひ気兼ねなくお越しください。スタッフがお好みに合わせたお酒をご紹介いたします」(副店長の藤原さん)

<店舗情報>
まるごと高知
東京都中央区銀座1-3-13 オーブ プレミア
03-3538-4365

茨城県産の食材を生かしたレストランで舌鼓

レストランのカウンター前には県内の観光名所が映し出される(IBARAKI sense)
レストランのカウンター前には県内の観光名所が映し出される(IBARAKI sense)

贅沢ランチにおすすめなのが、茨城県のアンテナショップ「IBARAKI sense」。店内に併設されているレストラン「BARA dining」で、現地食材を生かした様々なメニューが楽しめます。

「茨城県のおいしいものを知ってほしい」というスタッフの思いから、2020年4月30日までの期間限定で、特別価格の高級グルメが楽しめます。

「常陸牛ハンバーグ大根おろしと柚子ポン酢添え」(税込み1480円、2020年4月30日までの限定価格)
「常陸牛ハンバーグ大根おろしと柚子ポン酢添え」(税込み1480円、2020年4月30日までの限定価格)

人気メニュー「常陸牛ハンバーグ」は、素材の味を生かすためにつなぎを一切使用しておらず、肉汁たっぷりでそのままでも十分なくらい濃厚な味わいです。サラダ、味噌汁、佃煮も県産の食材を使用しており、現地の味を存分に楽しめます。

店内には茨城の「逸品」が揃う(IBARAKI sense)
店内には茨城の「逸品」が揃う(IBARAKI sense)

おすすめのお土産は、メロンの生産量が全国一位の茨城県が生み出した「究極のメロンパン」です。

「生地は水を使わずメロンの果汁と果肉のみで仕上げており、生クリームをブレンドしたカスタードクリームをサンドした風味豊かな味わいです。他にも店内では茨城の『逸品』を取り揃えているので、ぜひ一度立ち寄ってみてください」(店舗スタッフ)

<店舗情報>
IBARAKI sense
東京都中央区銀座1-2-1紺屋ビル1F
03-5524-0818

さくっとランチにおすすめ、福井県のアンテナショップ

店内のイートインコーナー(食の國 福井館)
店内のイートインコーナー(食の國 福井館)

最後に紹介するのは、時間がない時のサクッとランチにおすすめの「食の國 福井館」。店内のイートインコーナーはひとりでも入りやすく、食事の提供も早いので気軽に立ち寄れます。

おろしそば&ソースカツ丼のハーフ&ハーフ「まん福セット」(税込み1220円)
おろしそば&ソースカツ丼のハーフ&ハーフ「まん福セット」(税込み1220円)

人気のメニューはおろしそばとソースカツ丼が一度に楽しめる「まん福セット」。

一度ソースをくぐったカツを直接ご飯に乗せているソースカツ丼に、カウンターにある2種類のソースを追加して味の変化を楽しむのがツウの食べ方だとか。

おろしそばはさっぱりとした味わい。福井県では結婚式の「締め」に出るほど定番の味なのだとか。「まん福セット」で福井の味を堪能してみては。

地酒やおつまみにぴったりの食材などのお土産も(食の國 福井館)
地酒やおつまみにぴったりの食材などのお土産も(食の國 福井館)

店長の古市さんは、ひとり酒におすすめの晩酌セットについて聞くと、次のように教えてくれました。

「おすすめは白山の雪解け水を使用した『梵』。まろやかな口当たりでとても飲みやすいです。おつまみに『塩ウニ』を前歯の裏に少しつけて、日本酒で溶かしながら飲むのが福井流。ぜひ試してみてください」(店長の古市さん)

<店舗情報>
食の國 福井館
東京都中央区銀座1-3-3 銀座西ビル 1F
TEL 03-5524-0291

     ◇

どこのアンテナショップでも、スタッフが気さくに話しかけてくれるので、旅先のお店で現地の人と仲良くなった気分でした。都内にいるのに旅行しているような、不思議な体験でした。新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、流行が収束して、安全性が確保されたら、ぜひ「アンテナショップ巡り」を試してみてください。

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太田優衣 (おおた・ゆい)

早稲田大学国際教養学部卒業。在学中にアイルランドへ留学し、ダブリンを拠点にヨーロッパ諸国をひたすらひとり旅してから「ひとり行動」が活発になる。よくする「ひとり行動」は散歩・旅行・ライブ参戦など。歩くのが好きで都内でも旅行先でも地図なしで街を何時間も歩きながら、好みのスポットを見つけるのが楽しみ。

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