柿ピーの炊き込みご飯！？「おひとりさま山ごはん」の独創的料理の世界
ひとりで山に行く「単独行（たんどくこう）」。仲間と予定を合わせる必要がなく、自由気ままに動くことができるため、登山好きの間で人気を集めています。
そんななか、「おひとりさま山ごはん」のレシピを紹介した本が10月半ばに発売されました。『「山と食欲と私」公式 日々野鮎美の山ごはんレシピ』（山と渓谷社）です。信濃川日出雄さんの人気漫画『山と食欲と私』（新潮社）に登場する「山ごはん」の調理方法を紹介しています。
創意工夫を凝らしたメニューが登場
漫画『山と食欲と私』は、2015年9月から新潮社のWEBマンガサイト『くらげバンチ』で連載されており、これまで同社から8冊の単行本が出ています。主人公は27歳の会社員・日々野鮎美（ひびの・あゆみ）。「単独登山女子」を自称し、休日などにひとりで山登りを楽しんでいます。
漫画で毎回のように登場するのが「おひとりさま山ごはん」です。インスタント麺を使った簡易なものから、ひと手間かけた少しリッチなものまで、彼女が創意工夫を凝らした料理が出てきます。
今回のレシピ本では、漫画に登場した山ごはんメニューから51品を厳選し、実際に調理しました。フードコーディネーターの意見を取り入れたレシピを写真と文章でわかりやすく説明しています。必要な下ごしらえの手順や、よりおいしく楽しむためのワンポイントの工夫、便利な調理器具なども紹介しています。
メスティン（取手付きのアルミ製飯ごう）を利用してつくるのは、豪快オイルサーディン丼。ご飯の上にオイルサーディン（いわしの油漬け）とレタスをのせたシンプルな料理です。主人公の鮎美は漫画の中で「オイリーなイワシの風味が色っぽい…。これは大人の味だぁ。炊きたてご飯で丼モノ。大変贅沢でございます」と感想を漏らしています。
ほかにも、柿ピーの炊き込みご飯や、肉じゃが甘酒うどん、焦がしメープルシロップの塩フレンチトーストなど、シンプルながらおいしそうな料理が載っています。自宅で試してみるのもいいかもしれません。
公式レシピ本を出版した狙い
担当編集者の吉野徳生さんは本を出版した狙いについて、次のように話します。
「弊社は、『山と溪谷』などの登山専門誌を発行しているのですが、以前から登山者の間で、漫画『山と食欲と私』が話題となっていました。同作品のなかで紹介されている山ごはんメニューがとてもおいしそうだったので、実際に作ってみてレシピとして紹介したらおもしろいのではないか、と思いました」
さらに、漫画『山と食欲と私』の作者の信濃川日出雄さんは、読者に向けて次のように語っています。
「今回の公式レシピ本は、漫画に登場したレシピの再現度の高さと、フードコーディネーターさんによってより実用性の高いレシピにブラッシュアップされているところが見どころです。『山でこんなご飯を楽しめるんだ』と知っていただけたらと思います」
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