平成が終わる前に優勝したい(マンガ「買いたい新書」7)

これは、仕事と家庭に多くの時間を費やし 毎日を過ごすアラフォー男・室木おすしが 非日常を想い、自分だけの楽しみを探し求めて始めた 漠然とした買い物の記録である。

買い物vol.7 優勝トロフィー

 

閃いてしまった。圧倒的に。

そして数日の時が過ぎ…

 

 

(そもそも連絡先を知っているのが一人しかいない)

 

 

私は優勝していなかった。

優勝したように信じ込んでいたが、

実はだいぶ前からしてないんじゃないかなぁとは思っていたのだ。

 

しかしあの日、あの夜

年末に戯れる人々がいる駅の階段を、優勝トロフィーを持って降りたあの気持ちは、

紛れもなく凱旋だった。

はっきり言って私は主人公だった。そう思う。

 

その後すぐに魔法が溶けた私の優勝トロフィーは現在部屋の片隅にぼんやり立っている。

すごく邪魔だ。

特に思い入れもないのに、優勝トロフィーというだけで、なぜか捨てづらい。

 

いや、しかしやはりこのトロフィーは私に教えてくれた気がする。

優勝というものの真の意味を。

いつか本当に優勝する日までさようならだ。

 

 

パシャリ

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室木おすし (むろき・おすし)

イラストレーター、漫画家。オモコロライター。悲しみゴリラ川柳家元。3児の父。WEBや雑誌または広告で漫画やイラスト、記事を書くことが仕事の主。子供に占領されつつある自宅からはなれ喫茶店でひとり仕事をしたりしているが、常連になることで話しかけられないよう注意を払っている。

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