災害時にお腹と心を満たす「防災食アレンジレシピ」 日赤×クラシルが紹介

缶詰パンをアレンジ ふわふわフレンチトースト(日本赤十字社提供)
缶詰パンをアレンジ ふわふわフレンチトースト(日本赤十字社提供)

2011年3月11日に発生した東日本大震災から8年が経ちました。いつどこで起きるかわからない災害。特にひとり暮らしの場合、心細いことがあるかもしれません。今月、「在宅避難を想定した食の備え」をコンセプトにしたウェブサイト「Sonaeru Gohan(備えるごはん)」がオープンしました。非常用の防災食をアレンジした、簡単でおいしいレシピが紹介されています。

「在宅避難を想定した食の備え」をコンセプトにしたウェブサイト「Sonaeru Gohan(備えるごはん)」

発災直後に必要な食とは

「Sonaeru Gohan」は、日本赤十字社の「防災・減災プロジェクト」の一環として、料理動画サービスを提供する「kurashiru」と共同で発信しています。「食」をきっかけに、災害による被害を最小限に抑えるためのポイントを知ることができます。

発災直後は、緊張や不安で食事の時間をとるのが難しいこともあります。そこで大切なのが、水分補給と簡単に素早くできるごはんです。そこで役立つのが「経口補水液」。塩分とブドウ糖が含まれるため、脱水症状を防止するのに役立ちます。

経口補水液は自宅でも作ることができます。材料は水500ml、砂糖15g(スティックシュガー5本)、塩1.5g(ふたつまみ)、レモン汁大さじ1。これらを容器に入れてよく混ぜるだけで完成です。

ご飯はフタ付きのフライパンで炊くことができます。米2合の場合、水350mlでOK。キャンプなどのレジャーでも活躍する「炊飯器を使わずに炊く方法」は、覚えておくと便利です。

ひとり暮らし向けの常備食

ひとり暮らしの場合、どれくらいの食品の備蓄があった方がいいのでしょうか。日本赤十字社の広報・山田祐一さんは「最低限、1週間分は必要です。飲料水は1日3リットル×7日分のペットボトル21本、食べ物は主食3食分×7日分を常備しておいてほしい」と話します。また、手軽につまめて長期保存がきく、ようかん、乾パン、チョコレートなども役立ちます。

簡単に作れる主食として、パスタがお勧めだと山田さんは言います。「まずパスタを茹でて、その茹で汁でレトルトソースを温めると、簡単に温かい食事ができます。洗い物も少なくて済む点もポイントです」

発災から数日後のアレンジレシピ

発災から数日経っても、インフラが復旧しない場合もあります。ストレスが溜まりやすい時こそ、日常を感じられるご飯の存在は重要です。そこで、簡単でおいしい「非常食アレンジレシピ」を紹介します。

● アルファ化米でつくるパラパラチャーハン

アルファ化米は、お湯もしくは水を注ぐだけ出来上がるごはんです。そこにひと手間加えると、チャーハンになります。炊いたご飯に飽きた際にお勧めの食べ方です。

● 缶詰パンをアレンジ ふわふわフレンチトースト

そのままでもおいしく食べられる備蓄用缶詰パンが、フレンチトーストに変身します。普段、冷蔵庫に常備してありそうな卵、牛乳、バター、そして砂糖とメープルシロップを使うだけで贅沢な気分を味わえそうです。

防災食を日常の食事に生かす

避難所生活になったり、近くのお店が開いていなかったりする場合に備えて、「ローリングストック」しておくのがいいと山田さんは言います。

ローリングストックとは、備蓄用食品を賞味期限が切れる前に日常の食事で使い、消費した分だけ追加する方法です。「備える→食べる→買い足す」というサイクルのため、いざという時に消費期限切れだったという残念な結果にならずに済みます。

「非常食のアレンジレシピを普段から作ってみることで、災害時にも日常に近い食事を味わうことができます。特に、温かいご飯は心も体も温まるので、日頃から実践してみてください」

災害時に焦ったり、満足に食事がとれなかったりすると心身ともに疲れてしまいます。この機会に、食品の備蓄を見直したり、自分ならではの非常食レシピを覚えておいたりするのはいかがでしょうか。「もしもの時」に落ちついて生活できる助けになるかもしれません。

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