「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(4)

ひとりの時間を読書で過ごすとしたら、オススメの本は? そんな質問をDANROのオーサーたちに投げかけた企画の第4弾。今回も10作品を紹介します。
新型コロナウイルスが我々の生活を大きく変えましたが、オーサーからは、コロナに関連する本が推薦書としてあがりました。
そのほか、「自分の感受性ぐらい/自分で守れ/ばかものよ」と投げかける詩集や、森の近くでの暮らしをゆるゆると描く漫画など、さまざまな本がピックアップされています。
マリス博士の奇想天外な人生/キャリー・マリス
推薦したオーサー:清水美奈
新型コロナのニュースで誰もが知る「PCR法」を発明し、ノーベル化学賞を受賞したマリス博士の自伝。次々と飛び出す破天荒なエピソードが楽しいのはもちろん、日々を過ごす上で励みになるメッセージも散りばめられている。
ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!/武村政春
推薦したオーサー:関口威人
コロナ禍で読んだウイルス関連本で圧倒的に面白かった。2019年刊行時点の最新の研究成果も盛り込まれ、コロナについて深く、正確な情報を得られた。
自分の感受性くらい/茨木のり子
推薦したオーサー:園田昌也
いいね、RT、同調圧力。現代SNS社会から自分の感受性くらいは自分で守ろう。茨木のり子には「一人は賑やか」という詩もあります。
漫画原作者・狩撫麻礼/狩撫麻礼を偲ぶ会
推薦したオーサー:石井政之
狩撫麻礼先生の大ファンだった。20代のビンボーライターだったときに、「ボーダー」を読んで衝撃を受けた。反体制だけど、政治活動を斜めにみる、庶民感覚を忘れない、そしてユーモアがある。その作風が素晴らしかった。
100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』/斎藤幸平
推薦したオーサー:中村洋太
「資本主義は限界にきている」という言葉をよく耳にしていたが、そのことの意味がこの本を読んでよくわかった。同じ著者の『人新世の資本論』もおすすめだが、それよりもわかりやすく書かれている。これからの時代を考えるうえでおすすめしたい。
熱源/川越宗一
推薦したオーサー:夏目健司
直近で印象深かった作品。樺太アイヌがテーマの直木賞作品。魅力的な登場人物とリアルな描写にぐいぐいと引き込まれる。
>>>『熱源』の作品情報を見る
センセイの鞄/川上弘美
推薦したオーサー:黒澤あゆみ
一人で飲んでいるときに読むのにぴったりの小説でした。アラフォーの独身女性ツキコさんが居酒屋で一人酒をしていると、高校時代の国語の先生と再会する。それから歳の離れた男女の静かな交流が始まる。自由な二人。夜。言葉とお酒。素敵な距離感。インテリで風変わりなセンセイも、センセイの前では子供のようになれたツキコさんも、静謐でかわいらしくて、笑えて、愛おしい。小説という閉じられた時間のなかで、二人がずっと幸せに居てほしいと願ってしまいます。孤独を優しく撫でられるような、どこか満たされた気持ちになれる物語です。
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている/ふろむだ
推薦したオーサー:山本剛史
本書で紹介される「錯覚資産」は人と仕事をする上でとても大切。仕事において成果だけでなく、錯覚資産を蓄積できるように日頃から取り組んでいる。(大多数の人は他人の能力を正確に把握することが難しい)
週末、森で/益田ミリ
推薦したオーサー:須田仁之
ゆるい漫画で読みやすい。ひとりで森に行くのは個人的にもオススメ。
子どもを連れて、逃げました。/西牟田靖
推薦したオーサー:西牟田靖
シングルマザーのみなさんの苦境だけでなく、戦後~高度成長期~現在という時代の移り変わりの中で家族像、ジェンダー観がどう変わってきたのかについて、読めば理解できると思います。
今回はここまで。第5弾は、別の記事で改めてお伝えしたいと思います。
【第1弾】「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(1)
【第2弾】「ひとり時間」にオススメの本は? DANROのオーサーに聞いてみた(2)
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