ぼっちとひとり好きは全然違う? 陰キャな女子高生の青春を描く「ぼっち・ざ・ろっく!」
陰キャならロックをやれ! そんなキャッチコピーとともに2022年秋にテレビ放送され、話題を呼んだアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。現在はAmazonプライムやNetflix、ABEMAなどの動画サイトで配信されているので、視聴した人もいるかもしれません。
極度の人見知りで、友だちが一人もいなかった女子高校生・後藤ひとりがひょんなことからバンド活動を始め、メンバーたちとの交流を通じて、徐々に「ぼっち状態」から抜け出していく姿を描く「陰キャ」の青春ストーリー。
ぼっちとひとり好きは違う
親がつけた名前が「ひとり」で、あだ名も「ぼっちちゃん」というソロ指数満点な主人公。小学校では友だちがいないので「遠足のときに先生と弁当のおかずを交換していた」というエピソードの持ち主で、中学でも部活に入らず、放課後は家に直行。「スマホに届くのは、親からのメッセージか、クーポンのお知らせだけ」という生活を送っていました。
ただ、中学1年のときにギターに目覚め、1日6時間の練習をして「演奏してみた」動画をネットにアップし、高校生になるころには動画サイトで「うまい」と言われるほどの腕前に。たまたまギターを持って公園にいたときに声をかけられ、女子高生バンドのメンバーになるのだけれど、あまりにも極端なコミュ障のために、さまざまな騒動が巻き起こるーー。
そんなドタバタ青春アニメなのですが、印象的なのが第2話に出てくる「ぼっちとひとり好きは違う」というぼっちちゃんの言葉です。
バンドのベース担当で、クールで孤高なキャラの山田リョウが「休みの日にひとりで廃墟を探索したり、古着屋を回ったりする」という話を聞き、それは「ひとりでいるのが好きなんだ」「コミュ障はひとりで服屋に入れないし」と、ぼっちちゃんはリョウとの違いを痛感するのです。
「ぼっちとひとり好きの間には、決して埋めることのできない深く大きな溝が・・・」
そんなぼっちちゃんの妄想がコミカルに描かれます。
断る勇気があるならコミュ障してない
そのほかにも、
「真のコミュ障は逃げることもできない」
「断る勇気があるならコミュ障してない」
といった名言がいくつも出てくるのですが、ぼっちちゃんの振り切った「ぼっち思考」がこのアニメの魅力になっています。
ちなみに、主人公の後藤ひとりが所属する女子高生バンドのメンバーの名前はいずれも、実在のロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」(アジカン)のメンバーからとられています。そんなことから、第12話のエンディングではアジカンの『転がる岩、君に朝が降る』のカバー曲が流れ、話題となりました。
アニメの製作会社「アニプレックス」のYouTubeチャンネルには、ぼっちちゃんたちの「結束バンド」が演奏する楽曲の動画がいくつか上がっていて、数百万回以上、再生されています。