自分のために「心休まる週末旅」をーーHanakoが提案する理由
「究極のリラックスができるのは、誰にも気をつかわない『ひとり旅』だと考えています」。そう語るのは、マガジンハウスの女性誌「Hanako」の田島朗編集長です。近年、旅で「エキサイティングな思い」をするよりも、「癒しやリラックス」を求める女性が増えていると感じるそうです。
同社は9月28日に『Hanako TRIP 自分のための心休まる宿へ。』と題したムック本を発売しました。箱根や秩父など、首都圏からアクセスしやすい観光地の宿を紹介し、「自分らしいくつろぎを見つける週末旅」を提案しています。
女性ひとり旅の需要を感じる理由
雑誌「Hanako」では、これまでに「ひとりグルメ」や「沖縄ひとり旅」など「おひとりさま」向けの特集を掲載してきました。表紙に「ひとりでも行ける」といった文言を入れると、部数が伸びる傾向があるそうです。
今回のムック本も、裏テーマは「ひとり旅」。田島編集長はそうした特集をする背景を次のように語っています。
「弊誌は『働く女性』を読者ターゲットにしていますが、30年前の創刊当時とは違い女性の働き方が多様化しています。友人みんなが土日休みではないし、長期休暇の取り方も違う。また、インターネットをはじめさまざまな情報を深掘りできるようになり、個人個人の趣味がより専門化しました。『最大公約数な旅を楽しむ』ということ自体が、ちょっと面倒になってきたという風潮を感じます。ひらたくいうと、友達といろいろすり合わせて妥協のある旅をするくらいなら、ひとりで思う存分楽しみたい。そんな需要を肌で感じています」
くつろげる環境は百人百様
今回の『Hanako TRIP』では、「心からくつろげる環境も百人百様、違っていて当たり前」としながら、いろいろなタイプの個性的な宿を紹介しています。たとえば、本に囲まれるブックホテル「箱根本箱」(神奈川県)や英国風の雰囲気の海辺のリゾートホテル「川奈ホテル」(静岡県)などが掲載されています。自分の趣味に合った宿を探すことができそうです。
また、宿の紹介だけでなく、現地の名店や土産物なども合わせて掲載しています。たとえば、箱根や湯河原の和洋の人気スイーツとパンを紹介。自分のために買って帰っても楽しいおみやげが選ばれています。ひとり旅のときに携帯し、ガイドブックとしても使うこともできます。
「東京のネオ銭湯を巡る」では、都内の個性が際立った銭湯を紹介しています。芸術性の高いアートタイルがある銭湯「御谷湯」や、プロジェクションマッピングのある「久松湯」などをピックアップ。せわしない東京でちょっとリラックスしたいときに良さそうです。
田島編集長は、特におすすめの記事は「箱根の紹介」だとしながら、次のように語っています。
「最近、また箱根が面白くなっていると感じます。箱根は東京からはアクセスが良く、実はそこまで気合いを入れなくても、ふらっと週末に行って元気になって帰ってくることができる。そんなライフスタイルを送るのに、とてもいい場所です。都市で仕事を頑張っている女性にぜひ読んでもらいたいです」