「タダ働きが一番投資効果がいい」コンサルタントが勧めるスキルと人脈が手に入る「働き方」

教育スクールビジネス研究所代表の小林正弥さん
教育スクールビジネス研究所代表の小林正弥さん

「タダ働きが一番投資効果がいい」。そう語るのは、英語塾など教育ビジネスのコンサルティングをしている小林正弥さんです。11月7日に東京・新橋で開催されたトークイベントの中で「タダ働き」の有益さについて話しました。

このトークイベントでは、ITコンサルティングなどを手がけるAscent Business Consulting代表の北村貴明さんが聞き手となって、小林さんが「これからの働き方」や「起業家として必要なこと」などを語りました。

トークイベントの様子

「タダ働き」をすべき理由

小林さんは、教育ビジネスのコンサルティングなどを手がける教育スクールビジネス研究所の代表を務めていますが、25歳で独立した後、なかなかお金が稼げず、皿洗いのアルバイトをやっていた時期があるそうです。そうした経験を振り返りながら、「タダ働き」が有益な理由を次のように語りました。

「皿洗いのバイトをやっている人がいきなり戦略コンサルタントにはなれません。でも、(経営者やコンサルタントに)『タダで身の回りのサポートをさせてください』といえば、断られにくい。相手にとって何のリスクもありません。将来お金に変えられる知恵も人脈も手に入れやすいのはタダ働きです」

また、業界のキーマンに接近するためにも、「タダ働き」は有効だといいます。「ここで自分は旗を立てたいと思ったら、すでに旗を立てている人を競合と考えるのではなく、どうやったら味方につけられるかを考える。そのとき、絶対にその人からはお金をもらわないんです」(小林さん)

Ascent Business Consulting代表の北村貴明さん

北村さんは、小林さんから「タダ働き」という考えが出てきたことに驚きつつ、その意見に理解を示していました。そして「寿司職人」を例に挙げて、次のように説明しました。

「寿司屋に行って、大将に『俺をタダで雇ってくれ』と言って、スキルを身につけるとします。大将からは感謝される。いろんな仕入れ業者と知り合いになれる。つまり、技術と人脈と感謝を手に入れることができ、独立しやすくなるということですね」

また「働いた分だけお金をもらう」という見返りを求める考え方ではなく、「Giveをすること」を意識することが大切だといいます。常に相手に何かを与えることができる人は、その分、後から利益が返ってくるというのです。

「私が会社の経営で一番大切にしているのは『先義後利』という理念です。昔の中国の言葉なのですが、先に自分が義を果たしたら、利益は後から勝手についてくるという意味なんです」(北村さん)

「ライザップ」に学ぶべき

教育スクールビジネス研究所代表の小林正弥さん

さらに、小林さんは教育やコンサルティングなどの世界では「ライザップのやり方に学ぶべきだ」と語ります。ライザップは、ダイエットを主な目的とするトレーニングジムですが、他のジムとは「成果」に重点を置いている点が違うといいます。

「自分自身が培ってきた知識や経験を体系化する。そして重要なのは『自身は一切手足を動かさない』ということです。お客さんの手足を動かしてもらって、(結果が出ることで)高額を払ってもらう」(小林さん)

小林さんのこうした意見に対して、北村さんは賛同しながら「今、スキルを『時間』で売っているビジネスをしている人は、『成果』を出すことにコミットするビジネスに変換することで、チャンスが広がるのでは」と語っていました。

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