コロナ対策のためにも「深夜営業の店」がもっと増えてほしい

先月までのうだるような暑さがウソのように、すっかり涼しくなってしまった。とはいえ、9月は涼しくなったかと思えば急に暑くなったりと、寒暖差の激しい時期である。こういうときに風邪を引いたりと体調を崩しやすい。お互いに注意しましょうね。

さて、最近の僕は比較的時間が自由な生活をしているので、かなり夜型の人間になってしまった。決まった時間に寝起きをしているわけではないが、おおむね夜に仕事やネットなどをして過ごし、明け方にゴミ出しなどをしてから寝る。だいたいそんな感じだろうか。

深夜はコンビニなどしか営業していないから、外に出ることはあまりないのだが、午前4時を過ぎて始発電車が動き出すころ、電車に乗って隣町まで行くことがある。目的地は24時間営業のスーパーである。

早朝のスーパーは夕方のスーパーと違って、お客さんはあまりいない。店員さんたちは品出しをしている。

夕方と比べたら品揃えが薄い部分もあるが、肉や魚や野菜など、スーパーに求めるモノはしっかりあって、困らない程度には種類も揃っている。お弁当も種類が豊富にあるので朝食に困ることもない。

スーパーの時短営業は「密」につながってしまう

僕が早朝にスーパーに行きだしたきっかけは、新型コロナウィルスである。

世界的に感染者が急増していた昨年4月ごろ、海外のニュースで「スーパーがコロナの感染源になっている」という話を聞いた。

だが、日本のスーパーは凄く混んでいた。緊急事態宣言が出て、街から人影が消えたが、スーパーのレジの前には長蛇の列ができていた。

考えてみれば当たり前のことだ。夜の外食ができないのだから、その分、スーパーで食料を買って家て料理を作るしかなかったのだ。

専門家は「スーパーでも密になるな」なんて言っていた気がするが、いやいや、みんな日々の食事をスーパーに頼っているんだから、混雑してしまうのは無理もないでしょ。

しかもおかしなことに、時短営業に踏み切ってしまうスーパーまでも現れた。時短営業したら、お客さんが分散しないで余計に密になる。かえって危ないでしょう。とはいえ、スーパーにしてみれば、急に忙しくなって従業員のシフトを確保する意味合いもあるだろうから、一概に否定もできないか。

そんなスーパーをめぐるちぐはぐな状況に危機感を覚えていたときに、それまでも24時間営業を行っていた西友が「“オフピークショッピング”へのご協力のお願い」として、24時間365日営業の継続を打ち出したのである。

混乱の中にあった日本において、とてもクレバーで頼もしい提案であった。

僕はその趣旨に賛同して、そのころから早朝の始発での西友通いをスタートしたのである。

早朝のスーパー通いは圧倒的に快適

それまで夏の買い物は、日中の暑い時間帯に出かけないといけないので大変だった。

夏の夕方の暑さの残る時間に外に出かけ、たくさんの食料を買って家に帰る。僕は暑がりなので、いつも汗だくになって一苦労だった。

しかし、早朝にスーパーに行くようになってから、買い物は圧倒的に快適になった。

そもそも夏は、昼に寝て夜活動するくらいでもいいはずだ。わざわざ夏の昼間の暑い最中に、外を出歩く必要なんてないはずだ。熱中症も危険だし、暑さで注意力も散漫になる。夜中に店がやっているのであれば、夏場は夜中に行けばいいのである。

しかし、世の中はそうなっていない。

夜中は24時間営業しているコンビニ頼りになりがちで、どうにも高く付いてしまう。さらに今回の新型コロナウィルスの対策として、店舗の時短営業が推奨されたために、多くの人が昼に活動することに拍車をかけてしまっている。

飲食店は昼から夕方にかけてしか営業していないから、外食をしたければその時間帯に出かけざるをえない。

結果、ほとんどの人の活動時間が昼から夕方にかけて集中し、いつまでたっても「密」の状態がつづいてしまうのである。

今年は、去年に比べれば緊急事態宣言の緊張感も薄れ、スーパーのレジにとんでもない行列ができるようなことはなくなった。

それでも、僕は今の行政による時短営業政策に納得などしていないのである。

「深夜に活動することはおかしなこと」という偏見

「夜の街」は飲み屋街を表す言葉として、新型コロナ以降、行政の担当者が盛んに使っている。僕は以前から、なんとなく「真っ当な人間は昼間に生活するモノだ」という意識が日本社会に強まっていると感じていた。

少し前、24時間営業のコンビニで店長兼オーナーが本部に搾取されているという問題が話題になったとき、なぜか「24時間制を取りやめるべきだ」と主張する人が増えた。

コンビニは24時間365日オープンしているのが基本であることが、店長兼オーナーに負担をかけているという。だが、コンビニに週休制を導入しようとか、複数店長制度にしてひとり当たりの負担を減らそうという話ではなく、「24時間営業をやめるべきだ」ということばかりが大きく叫ばれた。

そこには「昼に活動することは正しいこと、深夜に活動することはおかしなこと」という偏見があったように思う。

しかし、日本、特に東京の人口密度などを考えれば、みんながみんな、昼間と夕方にだけ活動しようというのは間違っているのではないだろうか。

新型コロナウィルスの蔓延でソーシャルディスタンスという考え方が広まったが、国民の大半が昼や夕方にばかり活動する現状では、ソーシャルディスタンスを守ることは難しい。

その点、24時間営業のスーパーはお客さんが分散するので、ソーシャルディスタンスに貢献している。僕は1年以上、24時間のスーパーを利用しているが、本当にゆっくり買い物が楽しめるようになった。

スーパーだけでなく、もっと多くの施設が深夜や早朝に営業してほしいと思う。買い物はもちろん、台湾の屋台みたいな感じで、深夜でも飲食店の選択肢があればいいなと、ずっと思い続けている。

コロナ禍という特殊な状況下のソーシャルディスタンスだけでなく、いまの状況が終息したあとも、他人との距離が適度に保たれた生活をしたい。

深夜の時間を活動に生かすことができる社会のほうが、多くの人が暮らしやすい。僕はそう考えている。

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赤木智弘 (あかぎ・ともひろ)

フリーライター。1975年生まれ。就職氷河期世代としての問題意識を中心にいろいろと発信中。最近は、スーパー銭湯などのサウナ施設を回ったり、辛い料理を食べることがマイブーム。一人暮らしなので、すこしでも生活に潤いを生み出して行きたい。

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