コロナ禍を生き抜くために必要なもの。それは「ひとり力」である

新型コロナウィルスの騒動でずっと引っかかっていたことがある。

きっかけはたぶん、大学の新入生たちが「コロナでオンライン学習しかできす、同級生や先輩と会えないのが゙辛い」と主張しているというニュースを見たことだと思う。

「サークル活動や飲み会などができないことが、そんなに辛いのか?」

素直に、そう感じたのである。

そりゃ学生生活と言えば、サークル活動や新しい友達などに期待したくなる気持ちも分かる。だが、最近の人たちはそうした付き合いに関して、もう少しドライだと考えていたので、そんなに友達とか欲しいものかな、と思ったのである。

社会人になっても「ひとり」になるのが辛いのか

その違和感が大きくなったのは、社会人になった人たちが「テレワークになってしまい、会社で同僚と一緒に仕事ができないのが辛い」と言っている、という話を聞いたときである。

これについてはハッキリと「なんで?」としか思わなかった。

大学生なら学校にコミュニティがあるから、学校に行けないのが辛いという意見が出てくるのも分かる。しかし会社は学校とは違う。彼らは大学生のように、職場でコミュニティを作って遊んてい゙たりするのだろうか?

同様の疑問は政治家にも感じる。コロナ禍で会食の自粛が求められているなか、その国民に対して自粛を求めているはずの政治家たちが会食や飲み会を行い、言い訳に追われている。その姿を見ると、そんなにまでして他人と一緒に酒を飲んだりしたいのかと思う。

政治家の場合は情報漏洩の危険などから、Zoomなど民間のWEB会議システムを使うわけにも行かないということもあるのだろうけど、少なくともこの時期に誰かと酒や食事を共にする必要はないはずだ。

数年前、ネット上で「便所飯」という言葉が流行ったことがある。

学食で一緒に食べる友達がおらず、ひとりでご飯を食べるというのば恥ずかしいので、誰かに見られないように、トイレの個室で食事をする学生がいるという話だ。

僕は、便所飯なんて冗談半分なネットロア(ネット上の都市伝説)の類であると信じていた。

だが、学生どころか、社会人になってまで「ひとりでいることが辛い」とこぼす人がいるのだから、本当に周囲の目を気にしてトイレの個室で食事をする人もいたのだろう。

新型コロナは「社会的なつながり」を断ち切るウイルス

僕はといえば、こうやって文章を書くことが仕事なので、仕事の大半は自宅でひとりで゙行っている。

飲み会などもたまに友人と行くくらいで、お酒は自宅でひとりで゙飲むのが大半だ。家で飲めば安く済む。いつだってせんべろだ。

他人との交流はLINEやSNSなどで十分だし、他人と顔を合わせないことを「辛い」とは思わない。ある意味、僕は「ひとりでいること」に慣れているといえる。

一方、゙新型コロナウィルスの騒動で人とほとんど会わない状況を゙「辛い」と感じている人は、ひとりで生活することに慣れていないのだろう。

新型コロナウィルスはある意味、社会的なつながりを断ち切るウィルスでもある。

これまで多くの人々が当たり前のように行ってきた会食や飲み会。そしてそこで行われるリアルなコミュニケーションは完全に断ち切られてしまった。

そんな社会を生き抜くために重要になっているのが「ひとり力」である。

ひとりに慣れてしまうと「孤立」につながりやすい

ひとりであることに辛さを感じる必要はないし、ひとりが恥ずかしいからと隠れて食事をする必要もない。

ひとりであることに慣れ、ひとりであることに腐らない。そしてなにより、ひとりを楽しむ。そんな力である。

昔ならともかく、インターネットが当たり前の時代なのだから、直接顔を合わせなくてもコミュニケーションはとれるのである。

ひとり力を持つ人は、コロナ禍の社会においては強い存在であると言えるだろう。

だが、良いことばかりではない。ひとりでいることに慣れてしまうと、そこから孤独や孤立につながりやすいという側面は決して否定できない。

日頃から多くの人の中で生活している人はひとりになるのが辛い。それと同じで、ひとりに慣れた人は多くの人といるのが辛くなることがある。

だから、ひとり力は、けっしてディスコミュニケーションであってはならない。ひとりでいながら、しかし他者とのコミュニケーションは決して欠かしてはならないのである。

コロナ禍の社会を生き抜くためには、ひとりになっても腐らない力と、ひとりでいてもコミュニケーションが取れる力。その両方が必要となるだろう。

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赤木智弘 (あかぎ・ともひろ)

フリーライター。1975年生まれ。就職氷河期世代としての問題意識を中心にいろいろと発信中。最近は、スーパー銭湯などのサウナ施設を回ったり、辛い料理を食べることがマイブーム。一人暮らしなので、すこしでも生活に潤いを生み出して行きたい。

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