イチゴ狩りに花摘み。いち早く春を味わいに南房総へ「ひとり旅」

少しずつ暖かくなってきたといっても、まだまだコートが必要な日々。春はまだか。まだなのか――。冬にはもうすっかり飽きてしまったので、いち早く春を体験するために南房総へのひとり旅を思い立ち、週末に出かけてきました。

イチゴ狩りと花摘みへ

せっかく行くなら旅気分を存分に楽しみたいと、陸路ではなく東京湾フェリーで房総半島へ渡ってみることにしました。神奈川県横須賀市の久里浜港から乗ること約40分、千葉県富津市の金谷港まで、片道720円。デッキに出て海風に吹かれていると、クルーズ気分が存分に味わえます。

久里浜〜金谷を1日約14往復している東京湾フェリー
久里浜〜金谷を1日約14往復している東京湾フェリー

船を下りて、まず向かったのは富津市の「大森バラ園芸」。ここでは30分食べ放題でイチゴ狩りが楽しめるのです。栽培されている品種は章姫、紅ほっぺ、おいCベリー、やよいひめ、チーバベリーなど。ちなみにチーバベリーは、千葉県が開発したオリジナル品種。大粒で、甘みと酸味のバランスが絶妙です。

なかには30分で100粒以上ほおばるツワモノもいるとか。私は全部で12粒いただきましたが、ちょっと控えめにしすぎたかもしれないと反省。

甘みと酸味のバランスがいい「チーバベリー」
甘みと酸味のバランスがいい「チーバベリー」

イチゴを堪能したあとは、一路、南房総市へ。実は今回、ぜひ来てみたかったのがここ、太平洋に面する白間津地区のお花畑です。ストック、ポピー、キンセンカなど色とりどりの花が海をバックに咲き乱れている様は、春そのもの!

さまざまな花が咲き乱れる白間津のお花畑
さまざまな花が咲き乱れる白間津のお花畑

そのうちの一角に場所を定め、ストックを中心に花ばさみで花を摘んでいきます。ほかにも、キンセンカ、ポピーなどを摘むことができました。料金は、ストック1本100円、キンセンカ5本300円などリーズナブル。

大地に根を張って凜と咲いている花からは、芳香が漂ってきます。無心で摘んでいると、日々の雑事にまみれた頭がスッキリしてきて、マインドフルネス。丹精込めてつくられた花々は、寒々とした私の部屋に、きっと心穏やかな春を運んでくれることでしょう。

色とりどりのストック
色とりどりのストック

ご当地グルメ「館山炙り海鮮丼」

旅の楽しみはもうひとつ。そう、グルメです。今回のお目当ては、館山のご当地グルメである炙(あぶ)り海鮮丼。房総半島の最南端である館山市は、1年を通して豊富な魚介類が水揚げされる水産の街であると同時に花の街でもあります。このことを食で訴求しようと開発されたのが「館山炙り海鮮丼」なんだとか。

この丼、一の膳に炙り海鮮、二の膳に刺身、三の膳に花ちらし寿司が入っている三段重ねの豪華なもの。しかもウェルカムドリンクとデザートも付いて価格は1800円と、お手頃です。人気が高く、2018年に10万食を達成したらしいと聞き、心躍ります。

左から、刺身、花ちらし寿司、炙り海鮮
左から、刺身、花ちらし寿司、炙り海鮮

ミニ七輪に火が入り、網が温まってきます。魚をサッと炙って香りを楽しみながら口に運ぶと、うーん、美味! 昼間ですが、もちろん、ビールを頼みます。続いて新鮮な刺身、そしてちらし寿司。様々な形で楽しむ南房総の魚は、目も舌も大いに満足させてくれました。

今回私が寄った「たてやま温泉 千里の風」を含め、館山市内の5軒のお店でいただくことができます。すべて数量限定なので、ぜひ予約を。次回はぜひ11万食目を目指して行ってみようかしら。

満開の「頼朝桜」

おなかを満たした後は、鋸南町(きょなんまち)の「頼朝桜」が満開だと聞いて、寄ってみることにしました。町では「日本一の桜の里」を標榜し、2001年から1万3000本を町内に植栽しました。佐久間ダム公園には、そのうち2000本の桜が植えられています。

到着してみると、薄桃色のソメイヨシノとは違う、濃いピンクの河津桜がまさに満開。なぜ河津桜を「頼朝桜」と呼ぶのかというと、源頼朝が石橋山の戦いに敗れ、館山市の10キロほど北にある鋸南町(きょなんちょう)に上陸し再起再生をはかったという史実にちなんでつけた愛称なのだそうです。

佐久間ダム公園の「頼朝桜」
佐久間ダム公園の「頼朝桜」

多くの人が、写真を撮ったり散策したりと、「頼朝桜」の作り出す美しく幻想的な風景を愛でていました。

1日かけて楽しんできた南房総。食べて、眺めて、そのうえ、花をおみやげにと大満足。いち早く春を楽しむ「ひとり旅」にはおすすめのコースです。

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池田美樹 (いけだ・みき)

エディター。マガジンハウスにて『Olive』『an・an』『Hanako』『クロワッサン』等の女性誌の編集を経験した後、2017年に独立。シャンパーニュ騎士団(Ordre Des Coteaux De Champagne)シュヴァリエ。猫5匹とともにひとり暮らし。著書『父がひとりで死んでいた』(日経BP、如月サラ名義)等。

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