僕がウガンダで現地の友人とYouTubeを始めたわけ(ひとり国際協力 2)

サイラスと。ウガンダ北東部カラモジャにて

フリーランスの国際協力師としてウガンダにやって来てから、1カ月以上が経った。

国際協力の活動は、これまで国際機関やNGOといった組織に所属しながら実践するものとされてきた。だからこそ、フリーランスとして働く上で、資金面や安全面など限界を感じることもあるが、同時に「新しい国際協力」を追求するワクワクも感じている。

先月から僕は、ウガンダの友人とともにYouTubeを使った情報発信を始めた。まだ再生回数も少ないし、人によっては「なんの意味があるの?」と疑問に思う人もいるかもしれない。

でも、僕が動画を使って現地の人間と一緒に声をあげようと思ったのにはワケがある。

(この記事は、2019年4月25日に旧DANROで公開されました。記事内の情報は当時のものです。新しいDANROへの移行についてはこちらをご覧ください)

ウガンダ人パートナー、サイラスとの出会い

僕は今、フリーランスとして仕事をしているが、ウガンダで活動する時は現地人パートナーのサイラス・ロゼロと一緒に動くようにしている。

サイラスとは国連関係の仕事をしていた日本人Aさんの紹介で出会った。Facebookを使って1年ほどコミュニケーションを取り続け、昨年12月頃に初めて会った。

「性格も考え方も日本人に近く、彼なら信用できるよ」。最初にこう言われた時、正直簡単には信じられなかった。しかし、仕事のパートナーとして一緒に働く中で、真剣にウガンダの将来を考え、課題解決に取り組んでいる姿を目の当たりにした。

サイラスと。ウガンダ北東部カラモジャにて

頑張っている現地人はたくさんいる

サイラスはウガンダのローカルNGOで代表を務めている。活動規模はかなり小さいし、資金も決して潤沢とは言えない。それでも彼らはウガンダ人として、自分の国や地域のことを真剣に考えているし、あたりまえだが、日本人の僕なんかよりよほどウガンダの問題に詳しい。

例えば彼はこれまでの約2年間、ウガンダ各地で「MUCA」(Make Uganda Clean Again)という公衆衛生プロジェクトに携わってきた。

ウガンダでは公衆衛生の啓発が大きな課題だ。土に還るまで500年かかるとも言われるペットボトルを平気で道端に捨てたり、有毒ガスが出ることも知らず他のゴミと一緒に燃やしている。

雨が降ればゴミの周りには汚水が溜まり、蚊が発生する。蚊が増えればマラリアにかかる危険性も高まり、5歳の誕生日を迎えられず亡くなる子どももいる。

サイラスはウガンダの公衆衛生環境を改善するため、各地の小学校をまわって清掃活動や手洗い指導を続けてきた。学内に「MUCAクラブ」と呼ばれる生徒主体のチームを結成し、最終的にはサイラスらがいなくなった後も、彼らだけでプロジェクトが回る仕組みを作っている。

地元の小学校で清掃プロジェクトに取り組むサイラス

わざわざ日本のNGOがアフリカまで行き、ゼロから新しいプロジェクトを立ち上げなくても、すでに現地人だけで頑張って活動している団体は存在する。だから、まずは彼らと一緒に働く道を模索するべきではないか。

彼と一緒に仕事をする中で、そんな気づきが芽生えた。

彼らの想いをYouTubeで拡げたい

「海外の援助に頼りすぎず、この国が抱える問題を自分たちの力で何とかしたい」。サイラスと初めて会った時、熱く語る姿がとても印象的だった。彼の想いをもっとたくさんの人に届けたい。僕も心を動かされていた。

最初は彼に取材を行い、それを記事にして伝えることも考えた。でも、身振り手振りを交えながら、アフリカの抱える問題や社会を変えたいと熱く語るその姿をうまく言葉にできるか分からない。

それだったら、彼が直接日本人に語り掛ける機会を作ればいいのではないか。そう思い、サイラスに「一緒にYouTubeをやらないか」と声をかけた。

彼は僕の提案にすぐ乗ってきた。元々、日本人旅行者のガイドをボランティアでしていたこともあるサイラス。「もっとたくさんの日本人にアフリカの問題を知ってほしい、そして実際に来てほしい」。そんな想いを持っていた彼にとっても、YouTubeという発信ツールは打って付けのようだった。

投稿した動画は思ったよりも反響がよく、「原さんとサイラスのYouTubeを観るようになって、日常生活の中でもアフリカのことをふと考えるようになった」という感想もいただいた。

アフリカで一番必要なことは何かアフリカの友人に質問してみた

彼らの想いや考えが埋もれてしまい、社会に届けられないのはもったいない。幸い、これまで僕がブログなどで情報発信を続けてきたおかげで、僕のフォロワーやブログの読者にはアフリカに関心を持つ人も多い。

だから、YouTubeを通して彼に直接語り掛けてもらっている。これが、今ウガンダ人と一緒にYouTubeをやっている理由だ。

現地から語り掛け、寄付が回る仕組みも作りたい

僕は今、サイラスが代表を務める現地NGOに加わり、公衆衛生関連の活動を手伝わせてもらっている。こちらの活動がある程度落ち着けば、今後は他の分野で活動する現地NGOにも関わってみたい。

サイラス以外にも、自分の国や地域の未来を考え、本気で動いている現地人がたくさんいるからだ。

そういった人とコラボし、YouTubeで自分たちの活動や想いを語ってもらう。もし彼らの想いに賛同してもらえたら、日本から寄付をしてもらう。1回500円という金額でも構わない。小さい規模で活動する彼らにとっては、500円でも実行に移せる活動がある。

実際、日本のサービスを使い、僕の名義でクラウドファンディングを立ち上げ、それに向けた想いをサイラスがYouTubeで語っている。

【ウガンダの貧困】カラモジャの公衆衛生、なぜ改善するべきなの?

動画は文章よりも発信者を身近に感じられるツールだと思う。アフリカで活動する僕のことだけではなく、頑張っている現地の人を身近に感じ、その国で起きている“不条理”を自分事のように捉えられる日本人が増えたら、これほど嬉しいことはない。

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原貫太 (はら・かんた)

1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでバングラデシュのストリートチルドレンやウガンダの元子ども兵、南スーダンの難民を支援してきた。

大学在学中にNPO法人コンフロントワールドを設立し、新卒で国際協力を仕事にする。また、出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞した。

大学卒業後に適応障害を発症し、同法人の活動から離れる。半年間の闘病生活を経てフリーランスとして活動を再開。現在はアフリカと日本を行き来しながら、国際協力をテーマに多様な働き方を実践している。著書『世界を無視しない大人になるために』

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