オリーブの島・小豆島は、「ひとり旅」の私をそっと優しく迎えてくれた

スペイン・アンダルシアから移植された樹齢1000年のオリーブ大樹(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)
スペイン・アンダルシアから移植された樹齢1000年のオリーブ大樹(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

島への旅は、いつでもロマンをかき立てられるもの。なかでも「ひとり旅」の人に特に人気があると評判の島・小豆島に出かけて、さまざまな場所をめぐってきました。そこは、心温まる場所とおいしいものが出迎えてくれる、なぜだかほっとする場所でした。

ジェラートとオリーブそうめんで腹ごしらえ

香川県沖、瀬戸内海東部に位置する小豆島に行くには、空路で高松空港まで行き、高松港から船で行く方法があります。小豆島には4つの港があり、そのうちもっとも便数の多い土庄港は、小豆島の玄関口といえます。

草壁港に着くフェリー(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

港のうちのひとつ、草壁港のすぐ側にあるのがジェラテリア「ミノリジェラート」。2016年に開催された「瀬戸内国際芸術祭」の作品としてオープンしたお店は、現在も継続して営業しています。

ミノリジェラート(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

ここは、島のイタリアン、「リストランテ フリュウ」のオーナーシェフ・渋谷信人さんがひらいたもうひとつの店。

島の旬の食材を活かしたジェラートは、新鮮な素材の味がそのまま味わえると評判。なかには醤油、酒粕といったフレーバーもあります。パニーノなどの軽食もあり、エスプレッソやカプチーノもあり、小腹を満たしたい人や船待ちやバス待ちでコーヒーブレイクなんていう人にはおすすめ。ここでまず「島の味」の予習をするのは楽しいものです。

甘夏やレモンジンジャーなど、小豆島産の素材がそのまま味わえるジェラート(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

ところで、小豆島といえば「オリーブ」が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。小豆島とオリーブの関係は古く、その歴史は1908年にさかのぼり、国内栽培の発祥地として知られています。

そんなオリーブを、ユニークな方法で食べさせるところを発見しました。「小豆島手延べそうめん作兵衛」の、オリーブを練り込んだ「オリーブそうめん」です。

手延べ半生オリーブそうめん680円(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

オリーブ果実とオリーブオイルを練り込んだオリーブそうめんは、口に含むと、ツルリとしてモチモチ。独特の風味が出ています。噛みしめると、かすかにオリーブの香りが口の中に広がります。初めての味と食感に、すっかり満たされてしまいました。

島内に散らばるアート作品を鑑賞

おなかを満たしたところで、アートを見に出かけましょう。「瀬戸内国際芸術祭」の舞台のひとつでもある小豆島ですが、常設となって残されているアート作品が多くあります。そのうちのひとつがオリーブ畑の中に設置された「オリーブのリーゼント」という作品。

2013年にオリーブ畑の中に設置された「オリーブのリーゼント」は、デザイナーである清水久和氏の作品。作品には「人々の交流」という意味が込められています。顔の中央に開けられた穴には、野菜や果物が並べられて販売されるなど、文字通り地域の人々と旅する人々との交流の場になっています。

「オリーブのリーゼント」とデザイナーの清水久和氏(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

映画『二十四の瞳』の舞台となった島

アート作品を鑑賞した後に、「二十四の瞳映画村」へ出かけてみました。壺井栄が1952年に発表した小説『二十四の瞳』は、この島を舞台としてのちに映画化されました。岬にある分教場の若い女性教師と、12人の生徒たちとの交流を描く作品の舞台となった教室が、1987年公開作の撮影当時のまま残されており、ノスタルジックな気分に浸ることができます。

実はこの「二十四の瞳映画村」の目の前にも、清水久和氏のアート作品「愛のボラード」が設置されているので、こちらもぜひ見逃さないでください。

「二十四の瞳映画村」にある「岬の分教場」(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

島で唯一の日本酒醸造所とビール醸造所

さて、酒好きとしては島のお酒も気になるところ。聞けば、島で唯一の酒蔵があるといいます。「森國」へさっそく向かってみました。

こちらの当主は、もともとは高松で酒造りをしていたのですが、2005年に島に移ってきました。だからこそ、「島で造る酒」を強く意識しています、使用するのはすべて瀬戸内海沿岸の米。現在は島内で酒米作りにもチャレンジしています。

築70年の佃煮工場をリノベーションして作られたギャラリーでは、各種試飲やイベントなどが行われており、毎年3月に行われる新酒祭には、島内外からたくさんのお客さんが訪れるそう。

築70年の佃煮工場をリノベーションした「森國」(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

「ふわふわ。」「ふふふ。」「うとうと。」「びびび。」など、ユニークな名前の日本酒は、その名の通り優しい味わい。なかでも、アルコール度数が8%でフルーティーな「ホシガジョウノソラ」がとても気に入りました。

森國の日本酒(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

お酒といえば、ビールに目がない私。最近、人気の、島内で醸造されたビールが飲める場所があると聞いて、足をのばしてみました。目指す場所は「まめまめびーる」。民家を改装したマイクロブルワリーです。

まめまめびーる(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

ビール好きが高じて岡山の「吉備土手下麦酒」で修行、その後小豆島に移住し醸造所を開いた中田雅也さんは、小豆島産のビールをコツコツとつくり続けています。柑橘類を使った「あかまめまめ」、ヤマロク醤油のもろみを使った「くろまめまめ」など「まめまめシリーズ」とよばれる4種のビールのほか、地元産の素材を使ったビールを、醸造所を兼ねた小さなスペースで、海を感じながらいただくこともできます。

まめまめびーるのラインナップ(写真・Sohei Oya/Nacása & Partners Inc.)

駆け足でめぐってきた小豆島。素敵な場所とおいしいものに恵まれた旅でしたが、何よりも、ひとり旅にとても優しく、あたたかい場所でした。私にとってまた何度でも、ゆっくりと訪れたい大切な場所になりました。

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池田美樹 (いけだ・みき)

エディター。マガジンハウスにて『Olive』『an・an』『Hanako』『クロワッサン』等の女性誌の編集を経験した後、2017年に独立。シャンパーニュ騎士団(Ordre Des Coteaux De Champagne)シュヴァリエ。猫5匹とともにひとり暮らし。著書『父がひとりで死んでいた』(日経BP、如月サラ名義)等。

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