女性ひとりで気軽に「ビール・テイスティング」 散歩の聖地・谷根千の「古民家ビアホール」

カウンターでビールをそそぐ谷中ビアホール代表の吉田瞳さん
カウンターでビールをそそぐ谷中ビアホール代表の吉田瞳さん

レトロな雰囲気のお店の奥で、代表の吉田瞳さんがビアタップから琥珀色のビールを注いでいます。ここは東京都台東区上野桜木、昭和13年(1938年)建築の日本家屋を補修した建物群「上野桜木あたり」の中の「谷中ビアホール」です。

聞けば、谷中・根津・千駄木エリア、通称「谷根千(やねせん)」巡りのついでに立ち寄るグループ客に混じり、文庫本やiPad片手にビールを傾ける一人客も多いんだとか。「2015年の開店当初から、女性の一人客も気軽に飲みに行けるビアホールを目指していた」と吉田さんは話します。

4つの飲み比べセット

お店で人気の谷中ビールのテイスティングセット(1400円)は4種類で総量1パイント(約475ミリリットル)です。

谷中ビールのテイスティングセット

写真の手前にあるのが、カラッとしたのどごしの谷中ドライ。そこから時計回りに、琥珀色の谷中ビール、華やかな香りの谷中ゴールデン、柑橘系の谷中ビター。この順番に飲むことを、お店のスタッフに勧められました。すっきりしたものから、徐々に苦みが増してくるそうです。

まずは一口、うん、ぐいぐい行ける谷中ドライ。お次は谷中ビール、口に含むと味わい深くて、ゆっくり飲みたい感じ。3つめは爽やかな味があとを引きそう。最後は柑橘系に苦みが同居。なるほどなるほど――などと心中で相づち。一人の時間が愉しくなってきます。

「『ビアホール』というとこだわりが強い人が来る、というイメージがあるかもしれません。ここは、普段はそれほど飲まない人がビールを知るため、好きになるためのお店にしたい」という思いが吉田さんにはあるとのこと。

谷中ビアホールが入る「上野桜木あたり」に至る道では、かなりの率でネコと出会えて、一人の散歩にはうれしい(写真左)。谷中ビールの琥珀色は古民家や夕焼けをイメージしたという(同右)

飲み比べセットで気に入った味があったら、じっくり味わうために、S・M・Lサイズでオーダーしてもいい。メニューには無いけれど、セットと同じ4分の1サイズも頼めます。量が飲めないお客さんにもうれしい心遣いです。

つまみは逆転の発想から

つまみはどんなものがあるのか尋ねると、枝豆とフランクフルト、チーズが一緒になった「あたりセット」(750円)を薦められました。うどんや、味が濃いめのナポリタンなど、夜ご飯代わりのメニューもそろっています。

あたりセットと谷中生姜のもろみ味噌添え

古民家は改装にも限度があり、大がかりな厨房には出来なかったので、発想を転換し、調理が複雑でなく、鮮度や素材を生かしたひと皿を多くしたそうです。この土地ならではの「谷中生姜のもろみ味噌添え」(470円)などはお酒にぴったり。

「夏には、氷水にくぐらせたキュウリをそのまま出すこともありますよ」と吉田さん。古い建物と素材を生かした料理がなんだか懐かしい。「田舎のおばあちゃん家に帰ってきたような気分になる、とおっしゃるお客さんもいらっしゃいます」というのも納得です。

谷中ビアホールの入り口

谷中ビアホール代表の吉田瞳さんはこう話します。

「まったくお酒が飲めないわけではないけど、飲み歩くほど飲めるわけでもない。それでも、一人で飲みたい時もありますよね。私自身が、誰かを誘わないと飲みに行きにくいことになんとなく疑問を抱いていました。そんな女性客の人には、このお店に流れる空気も一緒に味わいながら、ビールを楽しんでほしいです」

静かな住宅街にあるため、営業終了時間は午後8時と早め。そんなことも、繁華街とは違う、女性一人でも安心して飲める心地よさにつながっているのかもしれません。

一番にぎわうのは、近くの谷中墓地の桜が見事な春ごろだそうです。軽くひっかけたあと、ほろ酔い気分でお散歩してみてはいかがでしょうか。

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