「疑いようもなくスゴい」超極細なのにカリカリ感がないペン(ひとりと文具 9)

この細さなら5㎜方眼に20文字は比較的簡単。慣れればあと5文字ぐらいは詰め込めそう。
この細さなら5㎜方眼に20文字は比較的簡単。慣れればあと5文字ぐらいは詰め込めそう。

文房具に詳しくない、という人でも、「ジェットストリーム」という名前には聞き覚えがあるのではないか。三菱鉛筆が2006年に発売し、現在では世界で年間1億本以上を販売する怪物級のボールペンである。

なぜここまで売れているかというと、話は単純。これまでにないスルスルとなめらかな書き味の低粘度油性インクを搭載し、従来の油性ボールペンと書き比べると誰でも違いが分かるレベルで「書きやすい!」のだ。

ぶっちゃけ、初代ジェットストリームの発売以前と以降で文房具の歴史が変わった、というほどにエポックな製品なのだが、その大人気ボールペンシリーズに、2019年末、新しい製品が誕生した。

それが今回紹介する「ジェットストリームエッジ」。なんと油性ボールペンで世界最小径、0.28㎜の超極細字である。

油性ボールペンで世界最細字の三菱鉛筆「ジェットストリームエッジ」

これまでにも、水性やゲルインクで0.28㎜以下というペンは存在するのだが、どれも基本的に、ペン先が紙にカリカリとひっかかる、極細字独特の筆記感があった。

もちろん、そのカリカリ感がいい、という細字愛好家もいるにはいるのだが、とはいえ万人に受け入れられるようなものではない。手帳などに細かく書き込むのに極細字が必要だから……と仕方なくカリカリと使っていた人の方が多かったはずだ。

引っかかりなくスルスルと走る感覚は、間違いなくジェットストリームシリーズだと納得させられる書き味。

そこでポイントとなってくるのが、ジェットストリームシリーズお馴染みの低粘度油性インク。これにより超極細のカリカリ感を大きく低減し、0.28㎜径にも関わらずスルスル、サラサラと書くことができるのである。

筆圧をかけるとさすがに鋭いペン先が紙に食い込んで抵抗を感じるが、指の力を抜いて軽く走らせてみると、引っかかりがスッと消え、非常に心地よくなめらかな書き味が出てくるのだ。

接地面に向けて圧力をかけにくいタテ溝のグリップ。

この“筆圧をかけない使い方”は、アルミ製のグリップ部にも現れている。間欠的にタテ溝が彫られており、ペン先を強く押しつけにくい(=筆圧をかけにくい)ように、わざと作られているのである。

なので、握った感覚そのままに書き出せば、違和感なくなめらかな筆記感を味わえるはずだ。

また、グリップのタテ溝は、デザイン上においても、シャープさを表現する役を担っているように感じられる。

インクのにじみが少ない分、描線がさらに細く見える

描線の細さをイメージしたワイヤークリップ。意外としっかりしたピンチ力を発揮する。

デザインで言えば、全体的なシルエットも従来のボールペンとはあきらかに違う。
直線的な六角柱の後軸が先端に向かうに従って太くなり、グリップを経て口金でいきなりキュッと細くなるもので、いかにも「これまでとは違う、新しいボールペン」っぽい未来感がある。

不思議な形に曲げられた細いワイヤークリップも、描線の細さを感じさせて面白い。

一般的な0.7㎜〜0.5㎜径と0.28㎜径の比較。線のシャープさは一目瞭然だ。

肝心の超極細0.28㎜の実力に関しては、疑いようもなくスゴい、のひと言。
5㎜方眼の1マス中に、潰れずに読めるひらがな20文字が書き込める……と言えば、その描線の細さはご理解いただけるだろうか。

油性インクは紙の上でのにじみが少ないので、水性やゲルの0.28㎜径よりも結果的に描線が細くなる、というのも大きなポイントだ。

手帳のマンスリー欄にびっちりとスケジュールを書き込むなら、まずこのペンをオススメしたい。

先端視界の良さとたっぷりインク流量を兼ね備えたエッジチップ。

ペン先チップも、細かい字を書き込むのに最適な新開発のエッジチップを採用している。
従来の極細字ペンで使われていたパイプチップ(細い管状のペン先)は、書いている文字がチップの影に隠れず見やすいのだが、細いパイプを通るためにインクの供給が追いつかず、文字のかすれや途切れが多発していた。

対してエッジチップは先端を絞る特殊な形状で、多少の早書きでも線が途切れないたっぷりとしたインク流量と、見やすい先端視界を両立しているのである。

細くとも書き味良く快適な筆記性能は、もはやこれまでとはステージが違う、「次世代細字」と呼ぶに相応しい性能と言えるだろう。

この記事をシェアする

「ひとり趣味」の記事

DANROクラブ

DANROのオーサーやファン、サポーターが集まる
オンラインのコミュニティです。

もっと見る