独身ひとり暮らしのピンチ脱出術(50代からの独身日記 12)

出雲大社北島國造館の拝殿。凛とした空気が漂い、心地よい気に包まれる
出雲大社北島國造館の拝殿。凛とした空気が漂い、心地よい気に包まれる

ひとり暮らしには危険がいっぱい、という訳ではありませんが、「まさか!」はつきもの。これまでの経験をもとに、役に立ちそうな事柄をまとめてみました。

急に具合が悪くなった時

昨年8月のことでした。急にお腹がガスがたまったかのように苦しくなり、市販の胃腸薬を飲んだものの変化なし。いよいよ救急車かな、と思いつつSNSに状況を書き込んだところ、ライター仲間のオオスキトモコさんから早速のお助け的書き込みが。

「まずは#7119に電話して状況を確認しましょう」

これは救急車を呼ぶべきか、どうしようかという時に電話で受け付けてくれるところなんですね。救急安心センター事業といい、看護士資格を持つ専門家が病気や怪我などの状況を確認して助言をしてくれる。

意識がはっきりしているし、自力で歩けるのに救急車を呼んでいいものか、と思うことはこれまでもありました。近所の目もありますよね。

さて、#7119に電話をすると看護士さんが出られて、お腹の状況をお話ししました。まずは「ひとりで歩けますか?」と聞かれます。その上で、「医師と相談しますのでお待ちくださいね」と、一旦電話は保留に。ほどなく近所の救急受付病院を3つほど教えてもらいました。この間約5分くらい。これだけでも気持ちが随分と楽になるものですね。

ひとり暮らしで最も気になるのは体調や病気、怪我ではないでしょうか

その後、タクシーで救急病院に向かって診察を受けたら即入院です。幸い危険な状況ではなかったものの、1泊2日の入院で身体の中をデトックス。

具合が悪くなって、救急車が頭に浮かんだらまずは#7119、覚えていて損はありません。
ただし、このサービスは全国を網羅しているわけではないので下記サイトでご確認ください。

総務省消防庁のお知らせサイト

いざという時の備蓄品は何が役立つ?

地震や台風などの自然災害による停電、断水などが毎年のようにさまざまなところで発生しています。ひとり暮らしにとっていざという時に水や食料、電池といったアイテム以外に何があったらいいかを考えてみました。

1.中古自転車
アナログ製造品の中で最高のモノだと思っています。震災時には車は機能しない可能性が高いことは2011年の東日本大震災で証明されました。交通機関が動かないときにはとても便利な乗り物です。大切な人から「助けに来て!」というようなときには颯爽と飛んでいけます。

なぜ中古なのかは、新品でカッコいいと盗難リスクが高まってしまうからなんですね。非常時には中古の自転車で十分なのです。また電動自転車は電気が使えなくなると重くなってしまうので注意が必要です。念のために簡易空気入れやパンク対応グッズがあれば完璧です。ちなみに私の自転車は4000円で購入しました。

2.カセットコンロと小型鍋
電気やガスが止まると冷蔵庫が使えなくなるので、調理もできなくなります。特に夏場は、冷蔵庫の食品を炒めたり焼いたりしておくと保存が効きます。缶詰を開けるのは、まずは冷蔵庫の食材を消費してからにした方がいいかもしれません。

カセットコンロは、筐体の大きさが従来品の半分程度のものがあるので、ディスカウントショップでチェックしておきましょう。ガス缶は3本はキープしておきたいですね。

また、フライパンより鍋が役に立ちます。おひとり様用の土鍋は使い勝手がいいと思います。

旧来のモデルよりもサイズは一回り小さく、保管も場所をとらない最近のカセットコンロ

3.ラジオ
スマホでも聞けますが、バッテリーの消費を考えるとラジオは単体でぜひ常備しておきたいものです。電池で意外に長持ちします。停電するとテレビが映りませんので、ラジオからの情報収集は欠かせないものになるでしょう。ディスカウントショップやネット通販で2000円前後で購入が可能です。

4.万能ナイフ
普段は使わなくてもこれぞサバイバルには必須のアイテム。ナイフ、ハサミ、ペンまでついているので、特に屋外でいざという時に役立つこと間違いなし。

小さいもので十分で、このくらいのサイズならカバンに入れておいても邪魔になりません

5.現金
最後にこれ。世の流れはキャッシュレスですが、いざという時にはカードや電子マネーは使えなくなる可能性があります。財布の中に、またはひっそりとしたところに最低限の現金を用意しておくことをおすすめします。

理由はともかくすごく落ち込んだ時

口には出さずとも誰でも落ち込む時があります。紛失、失業、失敗、事故、そして失恋などなど。世の中には「まさか」という落とし穴がいっぱいです。

まず思い浮かぶのはお酒の力を借りて、飲みながら友人に話を聞いてもらうこと。しかし必ずしもこれは効くとは限りません。お酒が飲めない人には当てはまりませんし、だいたいにおいてお酒を飲んだ翌朝はスッキリ起きられないものです。

そこで、おすすめは!

1.コメディ系の「舞台」を観に行く

はい、映画ではなく舞台なのです。映画はレベルの高い保存品、舞台は毎日味が変わる生鮮品。幕が開くと舞台とあなたは一対一、演じる役者とストーリーに引き込まれていくでしょう。舞台からのエネルギーを直に受けることができるので、見終わった後に、すーっと何かから解放されていく、そんな気分になりスッキリと家路につけるはずです。これはかつて困難な状況に陥ったときの私の体験談でもあります。

演劇集団キャラメルボックスの公演より。終演後の撮影OKタイムが設けられているところが嬉しい

2.平日に神社に行ってお祓いを受ける

日本は八百万の神々の国。神道は教義がなく宗教ではないと考えられているので、気軽に誰でも参拝することができます。作法も簡単。特に結婚式などが比較的少ない平日の朝は静かで清々しいものです。すっごく落ち込んだ時には、拝殿前での参拝ではなく、昇殿して参拝することをおすすめします。住まいの近くの神社がいいでしょう。

社務所で祈願することを聞かれたときには、落ち込んでいるのですがどれに当てはまりますか? と神職に聞くといいでしょう。私なら「心願成就」。「良い事が起きますように」というお願いではなく、「この苦境を必ず乗り越えます」と誓うのです。

このように整理して書いてみると、発見があります。ほとんどが「アナログ」なんです!
思えば、たくさん撮った写真はフォルダを探すのも大変ですが、昔撮った紙焼きの家族写真などはずっと残っているものです。

ひとり暮らしにピンチはつきもの。ちょっとした工夫と行動で運気は大きく変わるものです。エンジョイハッピーシングルライフですよ!

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嶋啓祐 (しま・けいすけ)

地方創生という大きなテーマの中にある「食」をテーマにした「地域起こし」に従事。北海道生まれではあるが、島根県に異常に詳しい。ミョウガやネギ、クレソンといった癖のある野菜を好む。古事記に出てくる舞台をすべて巡り、10年前から御朱印を収集。コンビニの便利さが嫌いで、近寄らない。蒲田に引っ越し、酒場巡りの毎日を過ごす。

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