予想外「女性ひとり客」に人気 ビッグサイズの本格ハンバーガー
「よく女性がひとりで来て、ハンバーガーにかぶりついてますよ」。そう語るのは、東京・四谷で料理店「BURG HOLIC(バーグホリック)」を営む中村創さん(45)。同店ではボリュームのあるハンバーガーとハンバーグを提供しています。
2017年12月にオープンした当初は、主に近所で働く30〜50代のサラリーマンの男性が来店するだろうと想定していました。しかし、予想外に女性客ばかりが来るようになりました。平日は来店客の8割が女性で、ひとりで訪れる人も少なくありません。
女性のひとり客が多いワケ
店は地下鉄丸ノ内線の四谷三丁目駅から歩いてすぐの大通り沿いにあります。中華料理屋や焼肉屋などの飲食店が入ったビルの2階です。
中村さんはもともとゲーム会社の経営をしていましたが、食へのこだわりが強く、特に愛着のあったハンバーガーとハンバーグの店をはじめました。コンセプトは「カジュアルな料理を丁寧に作って、美味しい料理を提供すること」だといいます。
どちらもがっつりした料理なので、主にビジネスパーソンの男性客を想定していました。日中、上司が部下を連れてきて、簡単な打ち合わせができるような店にしたいと考えていたそうです。
しかし、予想外に女性のひとり客がランチタイムによく来るようになりました。人気なのは、ハンバーガー。一口でかぶりつけないビッグサイズですが、簡単に平らげてしまう人も多いそうです。
女性のひとり客が多い理由のひとつは「恥ずかしさを感じないから」と中村さんは分析します。
「店内が広いので、周りの席と距離があります。大きく口を開けてハンバーガーを頬張っても、周りの目を気にしなくていいんです。『恥ずかしさ』を感じずに思い切り食べられます」
女性のひとり客は、本を読んだり、パソコンを広げて作業をする人が多いそうです。そうしたカフェのような利用の仕方も歓迎しています。「お客さんの好きなように過ごしてもらえたらと思います。来店時に店員から座席は指定しないので、ひとりで4人席や6人席に座っていただいても構いません」(中村さん)。
女性のひとり客の年代は30~40代が多いそうですが、50代以上のリッチな外見の「ひとりマダム」もよく来るといいます。「冒険しているような感じなのかもしれません。そういう方は意外とボリュームのあるメニューを注文されたりしますよ」
また、女性のひとり客は曇りや雨の日に多いという不思議な傾向もあるそうです。「元気が出ないときに、パワーをもらいに食べに来るのかもしれませんね」と、中村さんは推測しています。
一口でかぶりつけないビッグサイズ
ハンバーガーとハンバーグは奇をてらわないオーソドックスな美味しさを追求。女性に人気のハンバーガー。なかでも注文が多いのが「ベーコンエッグチーズバーガー」(1380円)です。
肉は臭みのない黒毛アンガス牛肉を使用。スパイスは少なめにし、肉本来の旨味を引き出します。カリカリのベーコンは、店内の大型のスモーカーで手作りしています。
店舗マネージャーの小林淑子さんは、女性のひとり客に向けて、次のように語っています。
「女性はひとりでハンバーガーやハンバーグを食べる店には入りづらいと思います。バーグホリックではそうした『恥ずかしさ』を感じることはありません。ぜひ気兼ねなくいらっしゃってください」