婚活ってすごくバカげてる 「結婚から降りた」34歳男の本音

30~40代の未婚率は、男性32%、女性22%(イラスト・古本有美)
30~40代の未婚率は、男性32%、女性22%(イラスト・古本有美)

50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を表す「生涯未婚率」は、2015年の国勢調査の結果、男性は23%、女性14%に達しました。この数字は1990年(男性6%、女性4%)から年々増加を続けており、このまま推移すれば次の国勢調査(2020年)では、男性は30%、女性は20%近くまで上昇するとみられます。

30〜40代の「未婚率」についても、2015年国勢調査によると、男性32%、女性22%。。30~40代男性の3人に1人は、結婚していないのです。

現在37歳のフリーライターである私も、独身です。私と同じような立場の男性は、結婚についてどう考えているのでしょうか。東京都内のIT企業に勤める独身男性・山田優太さん(仮名・34歳)に、話を聞きました。

同年代の女性を見ても「ピンとこない」

――最近、婚活はしてないんですか?

もう結婚からは降りました。別に、結婚しなくてもいいかなって。30歳から2年間付き合った彼女にフラれてしまい、あのコでダメだったら、ほかのコでもダメじゃないかなと、そう思ってしまったんです。

<山田さんは、お腹まわりのぜい肉が目立ち、頭髪も薄くなり始めていて、決してスマートとは言い難い外見です。さらに、「不謹慎ネタやブラックジョーク、下ネタが好き」という笑いのセンスや価値観は、「極めて女子ウケが悪い」といいます>

居酒屋で結婚観について語る。酒を飲むのが好きだという
居酒屋で結婚観について語る。酒を飲むのが好きだという

――会社内で出会いはないんですか?

同年代の女性はいるけど、全然ピンと来ないんですよね。年下なんですが、海外の大学院を出ていて英語がペラペラ。法律などの専門知識もある。ビジネスパーソンとしてはとても有能なんですが、弁が立つので自己主張も強い。顔はフツーでスタイルはいいんですけど、正直「かわいい」とは思えないんですよね。

――年下の女性に「かわいさ」を求めてしまうのは、分かる気はします。

ええ。でも、これって”性差別”じゃないかとも思うんです。職場でも、若い女性は「かわいいものであって欲しい」という雰囲気がありますけど、男性であれば、そんなものは求められたりしないですよね。でも、ウチの会社に限らず、日本の会社はだいたいそうだと思います。

――この先も結婚の予定はないですか?

絶対に結婚しないと言えば、そうとも言い切れない。もしいい人が現れれば・・・・・・。人生100年時代って言われてますからね。今の日本人の寿命を考えたら、むしろ40歳ぐらいが男にとっては適齢期じゃないかと思うし、これからは50歳ぐらいで結婚するのもフツーになってくると思いますよ。

女性も出産の年齢があるとはいえ、医療も日々進歩しているので、適齢期が以前よりも上がっていってもおかしくないでしょう。あと、養子や代理出産も普通になっていくかもしれない。

親2人で子供を育てるのは「無理ゲー」

――子供が欲しいとは思わないんですか?

今の日本の社会は、結婚や出産というものをほとんど度外視して設計されているように思います。制度などは改善しつつありますが、親2人だけで子供を育ているというのは、結構無理ゲーですよ。

かつて、子供は家や村といった共同体に属していました。それと同様に、あと何十年かしたら、現在の「子供は親のもの」という価値観が薄れていき、何らかの方法で子供を社会全体で育てる仕組みが生まれるのでは……なんて夢想しています。シェアリングエコノミーみたいに、子育ても「シェア」されるようになるとか。

――しつこいようですが、婚活はもうしない?

しませんね。これまで何回か婚活パーティーに行ったりもしましたが、婚活ってすごくバカげている気がします。あれって、結婚のための結婚というか、結婚そのものが目的になってしまっている。それに、どうしてもスペックから相手を値踏みするような感じがありますよね。まあ、こんなこと言っているから結婚できないんでしょうけど……。

街を歩く山田さんの後ろ姿
街を歩く山田さんの後ろ姿

――結婚しなくても構わない、ということですか?

今は休みの日に、ジムに行ったりネットサーフィンしたり、趣味のバイクに乗ってツーリングして地方で野宿したり、そこそこ楽しく生きている。もう少ししたら、30〜40代が一人で生きていても、もっと楽しい社会になっているハズなんです。老人向けのシェアハウスができたりとか。

今までの時代って、みんな結婚はしていたけど、お互いが我慢しながら暮らしたりしていて、本当に幸せだったのかな、と疑問に思います。結婚しないとしても、何の問題もなですよ。

――そうは言っても「婚活」していたときもあったわけですよね。なぜ、結婚できなかったと思いますか?

我ながら、ストライクゾーンが狭いんですよ。偏屈だから。聖母様のような人が現れないとムリでしょうね。フェイスブックとかで結婚式とか子供生まれたとかの投稿を見ると、羨ましくはなります。でも、他人を羨んでも仕方ないですからね。

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西谷格 (にしたに・ただす)

ライター。1981年神奈川県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、地方新聞の記者を経てライターとなる。2009年〜2015年まで上海に在住し、中国の現状をレポートした。著書に『ルポ 中国「潜入バイト」日記(小学館新書)』など。東京都新宿区在住、独身。

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