イタリアで本物の「カリオストロの城」に行ってみたら、全く似てなかった話(ふらり城あるき 7)

「カリオストロの城」のモデルって本当?

宮崎駿監督のアニメ映画で「ルパン三世 カリオストロの城」という作品があります。ここに登場する城のモデルになった城砦がイタリアにあると聞いて、行ってみたくなりました。

夏休みを利用したひとり旅。サンマリノ共和国を訪れた後、イタリアの古城に向かいます。アドリア海に面した港町リミニからピエトラクタまで路線バスで40分、マイクロバスに乗り換えて20分です。観光客の多くは、イタリア国内から乗用車で訪れるようで、マイクロバスの乗客は行きも帰りも僕だけでした。

断崖のような岩山をマイクロバスが登っていくと、中世と変わらない石造りの街並みが広がっています。その向こうの山頂に荘厳な要塞が見えました。城塞都市サンレオに到着したのです。

旧市街から見たサンレオ城砦(2018年9月6日撮影)

地図を見ると分かるのですが、この町は標高589メートルのフェルトロ山という岩山にへばり付いています。山頂に砦があり、中腹に城下町が広がっています。外から侵入できるルートは一カ所のみ。まさに天然の要害(地形がけわしく守りに有利な場所)です。周囲が断崖に守られているため、城壁そのものがありません。

サンレオの鳥瞰(ちょうかん)図(観光案内所で撮影)

サンレオの地名は、4世紀初頭にレオーネという石工が、キリスト教の布教活動をしたという伝説に由来します。レオーネは当初、サンマリノ共和国の建国の祖である同業者のマリーノと一緒にティターノ山にやって来ましたが、やがてたもとを分かち、20キロほど離れたこの地で司教になったと伝えられています。レオーネは、聖人として「聖レオ(サンレオ)」と称えられるようになりました。


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