40代独身女子の「ざんねんな婚活」 女性メディア編集長が赤裸々につづったワケ

『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』の著者、浅見悦子さん
『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』の著者、浅見悦子さん

昨年12月に発売された『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』(小学館)。40代女性のリアルな婚活を赤裸々に綴った内容で、「参考になる」といった声が数多く寄せられるなど、同年代の女性を中心に共感を呼んでいます。

執筆したのは、女性向けウェブメディア「OTONA SALONE」編集長の浅見悦子さん(46)。自身の婚活をリアルに描いた連載「40代編集長の婚活記」を一冊の本にまとめました。

いまなお婚活中という浅見さん。40歳を過ぎたあたりから恋愛から遠ざかり、「生涯おひとりさまかもしれない」と考えていましたが、なぜ婚活をすることになったのでしょうか。話を聞きました。

「婚活連載」を始めたワケ

浅見さんが婚活についての連載を持つようになったのは、コンサルティング会社から「恋愛に関する記事を出したほうがいい」と指摘されたことがきっかけでした。そこで知人にアドバイスを求め、自身の婚活体験を綴った連載を始めることになります。

「当時は20~30代の婚活話は聞くけど、40代の婚活話はあまり多くないと気づきました。しかし、身近に取材する相手がいません。そんな時に『浅見さんが婚活をやってみたら面白いんじゃないの?』と知人に提案されました」

「面白い」という言葉に弱い浅見さん。新しいことに挑戦するという「好奇心」も手伝って、2016年に「婚活連載」がスタートしました。

恋愛のトラウマ

「40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活」。「LINEの記事のよう」と称されるポップな文体が人気

「一生独身かもしれない」。浅見さんは40歳を過ぎたあたりで、こう思うようになりました。その理由は、過去の恋愛事情にありました。

「高校時代は、ソフトボール部を立ち上げたり、文化祭でみんなと一緒に自由の女神像を作ったり、友達や仲間と行動することが楽しくて、男子とつきあいたいという気持ちが理解できなかった。『つきあうってなに?』みたいな。恋愛はわからないと思っていました」

その後、青山学院大学に入学すると、合コンがきっかけで一つ年上の大学生とつきあうことになります。ところが半年後に、彼の浮気が発覚したのです。

「初めてつきあった彼に浮気されたのがショックでしたね。中学か高校の頃に『金妻(金曜日の妻たちへ)』など不倫ドラマが流行っていたので、浮気はドラマだけのことだと信じていました。おそらく私は少女漫画の影響で『恋愛はピュア』と思い込んでいたからでしょう」

それ以来、恋愛に対するイメージが損なわれてしまった浅見さん。次こそはと思っていましたが、次の恋人も失望してしまう相手でした。

「大学4年の就活の時に仲良くなった同じ年の男性です。就活中に告白され、彼氏なしの3年のブランクに戸惑いながらも、『告白されたのだから』とつきあい始めました。ところが夏前につきあって、クリスマス直前で破局。理由は彼が元カノとヨリを戻したからです。決定的に悪いことを言ってくれたら直せるのに、別れる時に『あなたは大丈夫』と言われてがっくり。それからは恋愛よりひとりが向いていると思うようになりました」

結婚願望の変化

徐々に結婚願望が変化したという浅見さん

大学卒業後、出版社に就職した浅見さん。仕事や趣味に夢中な日々を過ごします。そして30代前半になり、結婚について真剣に考える機会が訪れます。

「30歳から35歳までの間、つきあっていた彼がいました。3歳年下のデザイナーの彼と結婚について真剣に話し合った結果、私は彼と結婚しないことしたんです。彼は私に仕事を辞めて専業主婦になってもらいたいと望み、一歩も引かなかった。私は仕事を辞めたくなかったし、専業主婦になるという選択肢は微塵もありませんでした。そのため沢山話し合いましたが、それぞれ譲れないものがあって、結果的に円満に別れました」

別れてから1年が経った頃、彼が結婚したということを人づてに聞いた浅見さん。その頃から「結婚しないかもしれないな」と思い始めたそうです。

「その後、36~37歳の時にもう一人、とても縁がある人かもしれないと思う男性とつきあったのですが、結局別れて、『もう自分は結婚しないんだな』と思いました」

浅見さんの気持ちは、40歳の時は「結婚しないな」、41歳の時には「結婚しない」と、徐々に変化していきました。そして44歳までは「恋愛に縁がなく、淡々と生きてきた」といいます。

婚活がもたらしてくれたもの

こうして恋愛から遠ざかった浅見さんですが、「婚活連載」をきっかけに婚活をスタートします。浅見さんが婚活を始めたのは、他にも理由がありました。

「ひとりで生きていけるのかという問題に対して、なんとなく不安になりました。漠とした老後の不安です。まず『健康』。2番目は『お金』。そして3番目は『孤独死』。『健康』と『お金』に関する不安は解消できたものの、『孤独死』はそうではありませんでした」

実際に婚活を始めると、思った以上に出会いがあったといいます。婚活パーティーでは、「ハイスペ男」や「年下イケメン」との出会いがありました。元カレとの再会もあったそうです。浅見さんは婚活を通して、これまでよりも男性を信用できるようになったといいます。

「これまでの恋愛に対するネガティブなことが払しょくされました。結婚がゴールかはわからないけど、一緒にご飯を食べる相手がいるという些細なことで幸せになれるのなら、それもいいですね」

この記事をシェアする

「独身の結婚観」の記事

DANROクラブ

DANROのオーサーやファン、サポーターが集まる
オンラインのコミュニティです。

もっと見る