雄大な景色を求めて「1500㎞」バイクひとり旅~秋の四国を走る!

2020年9月末から10月初めにかけ、四国をバイクで巡ってきた。

ここ最近は毎年夏になると北海道をひとりでツーリングしていたけど、今年はコロナ禍ということで何となく気分が乗らず、北海道ツーリングはあきらめた。

そのためこの夏は、気持ちのどこかに何かひっかかるようなもやもやが残り、ただ時間だけが過ぎていくのをもどかしく思っていた。

ところが9月に入ってコロナ感染者の推移に少し落ち着きが見られたため、心のもやもやを解消するべく、旅を決行したのである。

竜馬も泣いている? 桂浜はガラガラだった

旅の初日は、自宅のある愛知県から四国までの移動日だ。自宅そばのインターから高速道路にとび乗って、ひたすら西へとバイクを走らせる。暑いかと思った革ジャンも、走りだすとむしろちょうどいいくらいだ。

昼過ぎに四国に上陸し、夕方には高知県へ入った。

おれのロングツーリングは基本的に宿は使わず、すべてがキャンプ。ちょうど高知県に入ったあたり、海沿いを走る国道の近くに、きれいなキャンプ場があったのでチェックインした。

2日目は残念ながら、曇り空。今にも降り出しそうな空模様の中、まずは室戸岬へと向かう。

中岡慎太郎像や展望台からの景色を眺めたのち、進路を西へ。いつのまにか雨粒がヘルメットのシールドを叩きはじめ、次第に雨脚が強くなってきた。

たまらずバイクを止めてカッパを着込んだが、再び走り出すと雨は止む。

じつはこういうことはよくあること。バイクに乗る人ならきっとうなずいていることだろう。

昼過ぎに桂浜に到着。おなじみの竜馬像の隣には、竜馬の目線で太平洋を見ることができる仮設の展望台が建てられていた。

100円を払って登ってみると、今まで見たことがない角度の竜馬像を間近で見ることが出来た。天気が良ければ、ダイナミックな水平線も見られただろうが。

桂浜の駐車場はガラガラ。平日だってこともあるだろうけど、つくづくコロナ禍が悩ましい。

桂浜を発った後、海沿いの横浪スカイラインを経由して国道56号を西進する。すると国道わきの路地の入口で、軽自動車が立ち往生していた。どうやら段差に乗り上げて動けなくなってしまったようだ。

バイクを止めて車の脱出を手伝うと、運転手のおじさんはお礼にとカツオの切り身をくれた。道端で生魚をもらうなんて、まったく想像していなかった。

この日の宿営地は黒潮町という街の、太平洋沿いにあるキャンプ場。

おじさんにもらったカツオをナイフでさばく。見た目は悪いが、味は絶品。捕れたてのようで、雑味や臭みもまったくない。

とはいえ、ひとりで食べるにはさすがに量が多かったので、キャンプ場の奥のほうで焚火を楽しんでいたソロキャンパーに半分ほどおすそ分け。ソロキャンパー氏も「旨い」と絶賛していた。

国道の真ん中にコケが生えていた

地鳴りのような波の音と白んだ空に目が覚める。

テントからはい出して海岸線まで散歩すると、ちょうど朝日が昇ってくるタイミングだった。すでに海では、何人ものサーファーが押し寄せる波に果敢にアタックしていた。

キャンプ場を出発し、国道321号(通称サニーロード)で足摺岬を目指す。

照りつける太陽は、道路の名称そのものだ。ほどなくして岬に到着すると、人懐っこい野良猫が出迎えてくれた。

ここには四国88カ所のうちのひとつ、金剛福寺があり、お遍路さんの姿もちらほらみられる。

高知県の海沿いを走っていると、歩き遍路の人の姿をよく見かけるけど、彼らに比べればバイク旅なんて、つくづく気楽なもんだ。

足摺岬から四万十市へと戻り、かの有名な”ヨサク”に入る。国道439号の通称で、日本一の”酷道”とも言われている。

最初のうちは広い道幅とゆるやかなカーブの連続で意外なほど走りやすかった。だが、人家がなくなるや途端に道路は1車線になり、急カーブが次々と現れる。

山深くなるにつれて舗装もどんどん荒れ始め、道路の中央にはコケまで生えている。

バイクの場合、コケに乗ってしまうと転倒してしまうので、とにかく速度を落として慎重に走らざるを得ない。

峠を越えてしばらく進むとようやく民家が見え始め、別の国道との交差点にたどり着いた。

交差点のそばにあった道の駅で昼食を済ませると、酷道とはお別れだ。四万十川沿いに東へと向かい、川沿いにあるキャンプ場にたどり着いた。

テントを設営し、買い出しついでに集落の様子を眺めてきた。四万十川と言えばやはり沈下橋。

写真を撮っているおれのすぐ脇を、地元の方の車が通過していった。旅人にとっては珍しい景色だけど、ここは生活道路だ。通り過ぎる運転手さんに軽く会釈しておいた。

度重なる落石で荒れていた「UFOライン」

四国最終日となる4日目は、四国カルストを目指す。

キャンプ場を出て北に向かい、山深い県道をつなぎながら、昼前に目的地に到着する。

四国カルストは、四国屈指の名所というだけあってライダーも多い。荷物を満載したソロキャンライダーの姿もちらほらみられた。

雄大な景色を満喫した後、高知から愛媛県に入る。石鎚山の脇を走る石鎚スカイラインを抜けて、瓶ヶ森林道、通称”UFOライン”を走る。

標高1000m以上の山肌に取り付けられたUFOラインは、そのダイナミックな景色が有名だが、道路は度重なる落石のため荒れ気味だ。

ガードレールもあちこちで破損しており、”酷道”の時と同じように、慎重にバイクを走らせなければならない。

やがて景色のいいポイントに到着すると、そこには女性ライダーの先客が。聞けば関東から来ていて、香川を拠点にソロで走っているのだとか。

こちらは今回の旅で唯一自分が写った写真。くだんの女性ライダーに撮影してもらった。

UFOラインを降りて国道を北進し、愛媛県西条市に入った。夜には東予港発大阪南港行きのフェリーに乗船予定で、出航までにはまだ時間の余裕がある。

せっかくなのでしまなみ海道も走ってみたかったが、すでに日は傾いていて、今から向かっても結局は暗くなるだろう。

無理して走っても面白くはない。いつになるかはわからないけど、楽しみは次回に取っておくことにしよう。

今回の旅のおおよその走行距離は五日間で1500㎞だった。たいした距離を走っていない気もするが、十分に満足できる旅だった。

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夏目健司 (なつめ・けんじ)

愛知県名古屋市在住のカメラマン兼ライター。バイク、クルマ雑誌の取材を中心に活動中。趣味はバイクやアウトドア。毎年夏にはバイクのキャンプツーリングを楽しんでいる。ケッコン歴無しのアラフィフ男目線(?)で多様なテーマに挑戦中。1971年生まれ。

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