京都ひとり旅 「おひとりさま」の過ごし方とは? 関西発「ガイド本」が指南
国内外からたくさんの観光客が訪れる京都。京都を紹介する本は多数出版されていますが、中には「おひとりさま向け」をうたったガイド本もあります。京阪神エルマガジン社(大阪市)が発行するムック本『ひとりで歩く京都本』です。京都の定番観光地のひとりの歩き方やおひとりさまにオススメの飲食店などを紹介しています。
2012年に1冊目を出版し、その後2年おきに最新版を出しています。2016年には京都の書店員が選ぶ「京都ガイド本大賞」の大賞を受賞しました。最新の2018年版は9月に発売されています。
編集部のオススメは「和食店」の紹介
2018年版の冒頭では、京都について「おひとりさま向けの街」と紹介しています。お寺やカフェなど、ひとりで気軽に行ける場所がたくさんあるからです。
その上で、「ひとりで京都でやってみたいこと」をいくつか提案しています。たとえば、料理店「京料理 藤本」でのランチ会席。季節の野菜や鮮魚を使った全5品のコースです。店主の藤本貴士さんは会話上手で「ひとりであることを忘れさせてくれるかも」とのことです。
「定番観光地ひとりの歩き方」という記事では、祇園などのメジャーなエリアでのひとりの過ごし方を紹介しています。たとえば、観光客で賑わう嵐山エリアでは、人混みを避けて、駅から離れた寺社や隠れ家カフェでひとり時間を過ごすことを提案します。平安時代の面影を残す大覚寺や、レトロな喫茶店のコーヒーショップヤマモトなどを掲載しています。
編集を担当した後藤有佳子さんのオススメの記事は、ひとりで入りやすい和食店の紹介です。「店の見取り図、メニュー表、そして実際に注文した時の金額を掲載しています。お店の中がどうなっているか。実際いくらになるのか。それを知っているだけでもひとりで入りやすい、という方は多いようです」(後藤さん)
「ひとりがテーマの本は売れる」
後藤さんは、おひとりさま向けの京都のガイド本を企画した狙いを次のように語っています。
「京都観光に関するガイドブックや情報誌は多数出版されており、観光やグルメの最新情報を単純に紹介しただけでは、購入してもらうきっかけになりません。もう一歩踏み込んだテーマや提案が必要だと考えました。そこで、月刊誌の特集などで、『ひとり』をテーマにした商品づくりをおこなっていたこともあり、『売れる』という実績もあることから、『京都』×『ひとり』をテーマに企画することになりました」
さらに、読者に向けて、次のように語っています。
「京都に初めてひとりで行くという方はもちろんですが、修学旅行などで昔行ったことがある30~40代の方やリピーターの方にも読んでいただきたいです。ひとりだからこそ、王道ではなく、趣味を追求するような、自分だけの京都の歩き方を見つけていただきたいです」