加速する「副業社会」正社員の4割が「副業したい」 気になる収入はどれくらい?
働き方が多様化する中、副業を始める人が増えてきました。副業を認める企業もここ数年で増加。「今後、副業をしたい」と考える人は約4割にのぼります。週にどのくらいの時間を費やしているのか、平均月収はどれくらいなのか。気になる点が、パーソル総合研究所の「副業実態・意識調査」で見えてきました。
副業に意欲のある年代・性別は?
現在、正社員のうち副業している人は約1割。今後、副業したいと考える人の割合は約4割にのぼることが、パーソル総合研究所の調査でわかりました。
性別や年齢による差はどうでしょうか。副業をしていない人で、副業意欲が最も高いのは「20代女性」という結果が出ています。年齢で見ると20~30代、性別で見ると女性のほうが意欲の高いことがうかがえます。
副業の目的の1位は「収入補填」。続いて「自己実現」、「スキルアップ」が上位に入っています。
副業の平均月収は5万円以上
実際に副業をしている人の収入はどれくらいなのか、気になるところです。月収は5~10万円のケースが全体の約20%。中には30万円以上という人も約4%いました。全体でみると収入が1~10万円の層が半数をこえていて、平均月収は6.82万円となっています。
1週間の副業に割く時間の平均は、10.32時間。中には本業と合わせると週に70時間を超える人も。パーソル総合研究所広報室長の島林秀行さんは「過重労働がおきやすい。本人がセルフマネジメントすることが大切」と言います。その一方で、副業によって本業のモチベーションが上がったという人が多いのも特徴です。
副業によるポジティブな変化は、「本業において既存のやり方にこだわらなくなった」、「自分の仕事のやり方を定期的に振り返るようになった」、「仕事の中での改善を探すようになった」など。副業で培ったスキルが本業に役立っていることがわかりました。
副業OKとNGの企業の割合は半数ずつ
ここ3年で、副業を許可し始めた企業が増えてきました。何らのかたちで副業を認めている企業と、全面禁止の企業の割合は50%ずつ。全体のうち、全面的に副業を許可しているのは13.9%です。
副業を許可している企業では、プラスの効果を感じている割合が高い結果に。特に、「モチベーションの向上」と「スキル向上」を上げる企業が多くなっています。
「副業を部分的に許可している企業に比べると、全面許可している企業へのロイヤリティが高いことが調査でわかりました」とパーソル総研の島林さん。「その一方で、全面的に許可することで、トラブルが起きることも。副業制度の導入を考えている企業は、一定の管理をしながら進めていく体制を整えるのがいいと思います」とアドバイスします。
将来は、副業をする人の割合のほうが多くなりそうです。時間と体力のゆとりを持ったうえで、新しいスキルや人脈を増やしていくことが社会のトレンドになるかもしれません。