喫茶店の激安ぶりにビックリする西天下茶屋(地味町ひとり散歩 25)

久しぶりに大阪に遠征して、ソロライブをやった翌日。疲れを癒すためにお茶屋でもないかな~と探したところ、こんな駅があったので降りてみました。

駅近くの商店街に入ると、さっそくお茶屋、というか喫茶店がありました。

〇〇と喫茶」の〇〇が不明な謎の喫茶店でしたが、「ここでお茶でも飲んでいくか~」と思い、店頭に出ていたメニューの値段を見て驚きました。

クリームみつ豆140円、ハムトースト120円、氷金時150円。

カレーライス250円、パフェ200円!

いつもなら安いのは大歓迎ですが、あまりにも安すぎます。

もしかすると「〇〇と喫茶」の〇〇とは、「そんなはずないやろ、全部単位は万やで」かもしれません。もしくは「大正時代にタイムスリップ、二度と現世には戻れまへん」かもしれません。

この〇〇が怖くて、結局、この店には入れませんでした。安すぎてお店に入れなかったのは、初めてかもしれません。 

他の喫茶店を見ても、サービスが過剰です。トッピングがほとんど無料です。

というか、食料を無料配布している場所さえありました。

「不動産喫茶」もありました。こんなに物価が安いのなら、物件もさぞかし安いのでしょう。でも、さすがにこの町に住む決断はできなかったので、近くにあった小綺麗なホテルを見てみました。

夜景の見える大浴場付きのリラクゼーションホテルが1泊1400円! 1ヶ月滞在しても3万円台です。ホテル暮らしをしても、我が家の家賃より断然安いです。ここは本当に日本なのでしょうか!?

普通は「テレビでおなじみ」と言うと、食堂とかラーメン屋さんが多いですが、この町では自動販売機です。お茶屋の町だからでしょうか。

「おいでや」の自動販売機のすぐ隣に「おいなはれ」もありました。競合他社ということでしょうね。

お酒の自動販売機もありましたが、どれも100円です。飲兵衛にはたまらないですね。

食べ物のメニューも聞いたことのないものばかりでした。リャンフンの「フン」は「糞」ではないでしょうね。まさかそんなことはあるまいと思うのですが・・・

すぐ近くの貼り紙にはこんなことが書いてあって、深読みしてしまいました。

動物と言えば、こんな店(?)もありました。これは犬を売っているペットショップでしょうか。それとも、ま、まさか、食べるための・・・少し怖くなって、食事は諦めました。

そこで、ファッションに目を向けてみることにしました。

ここでは寅さんルックのダボシャツ&ダボテコが最先端のようですね。その横では「クラシックパンツ」という名で、ふんどしも売られています。クラシックパンツ・・・ものは言いようですね。

カッコいいマスクをしている男の人もいますね。もっとも、売っているのはスリッパですけれど。

男の美学も書かれています。僕はこの前、還暦になったから・・・死なないといけない年齢ですね。

まあ、横に写っているオーナーらしき人に言われたら逆らえないですけど。

実は真面目な話、ここ西天下茶屋があるのは大阪市西成区。その一部は、釜ヶ崎と呼ばれる「日本三大ドヤ街」のひとつとして有名です。

僕が大好きな一帯で、大阪に来たときに訪れることも多い馴染みの町なのです。少し怪しい雰囲気もありますが、それがかえって僕には魅力で、ついついこの町に帰ってきてしまうのです。

昔とは雰囲気が一変した「ドヤ街」

ドヤ街と言われるほどなので、ホテルに泊まるのも昔は労働者が主だったかもしれませんが、いまは様変わりしました。1泊500円などの極端に安いところを除けば、その姿は全く見えません。

メインはとにかく安く泊まりたい若者か、外国からのバックパッカー的な観光客です。ファミリーで泊まっている人もいます。そういう人たちがターゲットになったので、館内もリニューアルされて不潔感は全くなく、館内の説明表記板も英語などの外国語が並んでいます。

トイレは共用ですが、清潔なシャワートイレになりました。さらに浴場のほかに24時間のシャワールームがあったり、宿によっては、女性向けに好きなブランドのシャンプーリンスを貸し出しているところもあります。

部屋は確かに狭いですが、たいていフロントの近くに広い談話室兼簡単なキッチンスペースがあり、大型のテレビにはゲームやDVDが備わっています。もちろんフリーWiFiも完備しているので、僕は宿泊することに抵抗がありません。

このあたりに泊まるとき、よく行く場所です。玉がよく出るパチンコ屋さん? 

いえいえ、スーパーマーケットです。「スーパー玉出」はこのあたりに多いチェーン店。「1円セール」などでも有名で、特に惣菜が激安です。なかでも「天下茶屋丼」が名物として知られていますが、どうやら天下茶屋店でしか売っていないようです。

昼間なら危険なこともまずありません。女性の「ひとり散歩」はあえてオススメしませんが、こんなディープな町をそぞろ歩くのも楽しいですよ。

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石川浩司 (いしかわ・こうじ)

1961年東京生まれ。和光大学文学部中退。84年バンド「たま」を結成。パーカッションとボーカルを担当。90年『さよなら人類』でメジャーデビュー。同曲はヒットチャート初登場1位となり、レコード大賞新人賞を受賞し、紅白にも出場した。「たま」は2003年に解散。現在はソロで「出前ライブ」などを行う傍ら、バンド「パスカルズ」などで音楽活動を続ける。旅行記やエッセイなどの著作も多数あり、2019年には『懐かしの空き缶大図鑑』(かもめの本棚)を出版。旧DANROでは、自身の「初めての体験」を書きつづった。

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