「クルマ作りのパッションを感じてほしい」半世紀前の「名車」と出会える真夏のイベント

アルファ・ロメオ・ジュリアTZ 1965年・大ヒットした初代ジュリアシリーズの頂点ともいわれる / 2017年開催時の様子 ©️Scudetto
アルファ・ロメオ・ジュリアTZ 1965年・大ヒットした初代ジュリアシリーズの頂点ともいわれる / 2017年開催時の様子 ©️Scudetto

クルマ好きにはたまらない、往年の名車たちと出会えるイベント「オートモビルカウンシル2018」が8月3日(金)〜5日(日)に千葉県の幕張メッセで開催されます。歴史を感じさせる国内外の「ヘリテージカー」約150台が出展。そのうち約100台は会場内で購入もできます。実行委員会の共同代表・関雅文さん(61)は「当時のクルマ作りのパッションを感じてほしい」と熱っぽく話しています。

クルマが「ホビー」になる時代の楽しみ方

「単に古いのではなく、歴史を持ったクルマ」。関さんはそういう思いを込めて、一般的に流通している「クラシックカー」という言葉ではなく、「ヘリテージカー」という呼び方にこだわっています。「ヘリテージ」とは、遺産や伝統という意味。現代のクルマには、過去から連綿と続く歴史が受け継がれているのだという思いが込められています。

2016年の第1回開催時の様子 ©️Scudetto

昨今は「自動運転」などのテクノロジーを利用したクルマが注目を浴びていますが、これまで蓄積してきたクルマの歴史にも目を向けてほしいと語ります。「新しいものと古いものが共存できる。いろんな価値観があって良いのではと思っています」

「これからは、クルマを運転することが『ホビー』になっていく。特に都市部では、地下鉄や電車で移動できるので、クルマは必ずしも必要でないかもしれません。でも『ホビー』とは、人生のメインディッシュではないけれど、大切なサイドディッシュのような存在。ステーキだけ食べていても美味しくないでしょう(笑)。サイドディッシュがあると、人生が豊かになるんです」

マツダのブース / 2017年開催時の様子 ©️Scudetto

「ヘリテージカー」の魅力とは?

オートモビルカウンシルには、1960〜70年代を中心にヘリテージカーを扱う販売店のほか、国内・海外の自動車メーカーや自動車関連グッズの販売店などが出展します。自動車メーカーのコーナーには、ヘリテージカーと最新車が合わせて展示されるので、各社の最新のクルマが昔のクルマから何を受け継いでいるのか、感じ取れるようになっています。

ヘリテージカーの魅力は「作り手のパッションを感じること」だと関さん。当時は、オートメーション化がまだまだ発展途上で、現代より一台一台を工夫しながら情熱を込めて作られていたと言われています。

「時代を切り開いていこうとするパッションが各々のクルマから感じられます。とてもサラリーマンが作っていたとは思えない。かっこよくて速いクルマを作りたい。そういう単純な思いが現代よりもはるかに強かった時代です。そこに人々が魅了され、現在、ヘリテージカー人気が世界規模で起こっているのだと思います」

フェラーリ 308 Gr.4 1977年 / 2017年開催時の様子 ©️Scudetto

関さんは定年退職後にこのイベントの実行委員会を発足させました。それまでは、自動車会社や広告会社で勤務していましたが、その当時の経験は今に生きていると力強く語ります。

「サラリーマン時代は必ずしもいいことばかりじゃなかったんです。特に若いころに4年間、自動車工場で勤務をしていたときは辛かった。その仕事が自分の人生にどんな意味があるのか全くわからなかった。でも、今はその経験がものすごく役に立っている。人生に無駄なことはない。そう思うようになりました」

今年で3回目となる8月のオートモビルカウンシルを前に、次のように話していました。

「私の同世代でも、定年後に自分に何ができるのか悩んでいる方々がいらっしゃいます。でも、これまでに得てきた知識や技術を持っていると思います。それを第二の人生の基礎にしたらいい。私はこのイベントを成功させることで、自分を育ててくれた自動車業界と広告業界に対して恩返ししたいと思ってますし、同世代や後輩の皆さんにエールを送れないかと思って頑張っています」

2017年開催時の会場の様子 ©️Scudetto

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