YOSHIKIさん「アーティストが引退するのは死ぬとき」

「どこから私の音楽が来ているかと聞かれたら、痛みと悲しみからと言えるかもしれません」。人気ロックバンド「X JAPAN」のリーダー・YOSHIKIさんが9月13日、東京・有楽町の外国特派員協会で開かれた記者会見で、そう語りました。外国人記者からの「心打たれるあなたの音楽はどこから来るのか」という質問に対する返答でした。

子どものころ、自殺願望があった

会見でYOSHIKIさんは「X JAPAN」の新しいアルバムのレコーディングが終わったことを明かしました。また、今朝日本に到着した飛行機が、テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみさんと同じだったと話しました。YOSHIKIさんは「パジャマ姿にジャケットを羽織った姿」だったため、空港で大坂さんを待っていた大勢の報道陣を見て驚いたと説明。記者たちを笑わせました。

YOSHIKIさんは、笑顔で冗談を交えて語りながらも、子どものころに経験した父の自殺や「X JAPAN」のメンバーの死など、自身の辛かった過去についても触れました。10歳のときに父が亡くなった後、YOSHIKIさんの心の中に「自殺願望のようなもの」があったといいます。「もしも音楽がなかったら、きっと生きてこれなかったと思う」と語りました。

「母がドラムセットを買ってくれました。それがすごく助けになりました。そこにエネルギーを注ぎ込む。激しく叩くと当然、体を痛めつけることになる。しかし、やはり自分の怒りや悲しみを解放する手段として、ドラムをやっていました。いまでもその姿勢は変わりません」

また、2010年に非営利団体「YOSHIKI FOUNDATION AMERICA」を設立し、心や体に問題を抱えた子どもたちの支援をしています。父を亡くした経験があるため「同じ痛みを抱えている子どもたちの気持ちがわかる」と語っていました。

「アーティストが引退するのは死ぬとき」

また、記者から「引退した小室哲哉さんに今後活動してほしいか」という質問が出ると、引退には賛成できなかったと明かしました。引退発表の翌日、小室さんに電話し、「アーティストを引退するのは死ぬとき。生きているうちに引退なんてないだろう」と話したそうです。そして、次のように語っていました。

「どんな人生や仕事だって辛い。私も25年ほど前にアメリカに渡りました。ダメだと思ったら、日本に戻ってこようと思っていました。でも、まだ頑張っていますし、前を向いて進んでいます」

YOSHIKIさんは「生きているうちに、何をやりたいか」という質問に対して、「世界のエンターテインメントの地図を塗り替えたい」と答えました。ポップスやロックの世界で、かつてはアジア勢の活躍がほぼなかったことに触れながら、「日本もアジアもあるんだよと示したい」と語っていました。

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