年末年始にひとりで見よう!「孤独」をテーマにしたオススメの「日本映画」5選

年末年始、仕事もひと段落し、少し余裕が出てくるこのタイミング。自宅でひとりで過ごす人もいるでしょう。そんな「おひとりさま」に向けて、良質な映画を紹介します。

2回に分けて、邦画と洋画のおすすめ作品を5本ずつ紹介するこの企画。今回は邦画編です。主人公がひとり、孤独を抱えながら、それでも前向きに生きていこうする。そんな作品を選んでみました。

洋画編:生きるとは? 年末年始「おひとりさま」向けオススメ「外国映画」5選

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(この記事は、2018年12月29日に旧DANROで公開されました。記事内の情報は当時のものです。新しいDANROへの移行についてはこちらをご覧ください)

(1)『百万円と苦虫女』(2008、タナダユキ)


「百万円貯まったら出ていきます」というキャッチコピーのこの映画。ふとしたことから前科者になってしまったフリーターの女性が、働きながら100万円を貯め、生活拠点を転々とする過程を描いた「ロードムービー」です。

海や山での生活を通して、それぞれの土地に対する愛着も生まれてくるのですが、100万円が貯まるごとにその土地を離れるルールを自身に課した彼女は、新たな場所へ向かいます。別れの辛さはありますが、積極的に前を向くことで、彼女は成長していきます。しがらみのない「ひとり」だからこそできる新たな生き方かもしれません。

もちろん、彼女のような行動をするのは簡単なことではありませんが、ときには自分のなじみのある土地を離れ、「ひとり」を経験することで見えてくるものもあるはず。この映画はそのように、私たちに語りかけてくるかのようです。

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(2)『鉄道員(ぽっぽや)』(1999、降旗康男)


『網走番外地シリーズ』『幸福の黄色いハンカチ』など数々の名作で主演を務めた名優・高倉健。その代表作のひとつです。主人公は、北海道のローカル線で長年駅員として暮らしてきた初老の男性。妻や娘に先立たれ、孤独な生活を送っていた彼は、まもなく定年退職で、鉄道員として終りの時を迎えようとしていました。そんなある日、彼のもとに不思議な女の子が現れます。それは彼にとって、かけがえのない奇跡のはじまりでした。

孤独を抱えた人間だったが、仕事にひたすら打ち込んできた人生は決して貧しいものではなかった――。そんな感情が、鑑賞後に呼び起こされます。

かつて栄えていたころの駅の姿も情感豊かに織り込まれており、郷愁を誘います。そこに生きていた人間の、たしかな人生の重みが感じられる作品です。より理解を深めたい方は、浅田次郎の原作もあわせて読むことをおすすめします。

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(3)『少年』(1969、大島渚)


わざと車の前に飛び出し、運転手にお金を要求する「当たり屋」。実際にこの当たり屋行為で生計を立てていた一家を題材にした映画です。

主人公は一家の長男である少年。車に当たる役割を担います。自分が行動しなければ一家の生活は成り立たないことを自覚し、いつしか淡々と自分の「仕事」を進んで行うようになります。そうして全国行脚を続ける一家ですが、あるとき、自身の行動に葛藤を覚えた少年は…。

この映画において白眉(はくび)と言えるのは、冬の北海道のシーン。そこでの一家の行動が、少年の心に大きな影響を与えることになります。「1000万円映画」と呼ばれる低予算の作品ですが、全国各地でロケーションが行われたこともあり、画面から貧しさは感じられません。

ひとりで葛藤を続ける少年の姿に、大人の観客も思わず胸を打たれるはずです。

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(4)『生きる』(1952、黒澤明)


世界の巨匠・黒澤明監督の『七人の侍』と並ぶ代表作であり、邦画の歴代ベストテンでもしばしば上位に顔を出す本作。主人公である初老の男性が死を宣告されたことによって生まれた「死ぬまでに何ができるか」という葛藤が、本作のテーマです。

市役所に勤務している彼にとって、仕事とはただ書類にはんこを押すだけという、面白みのないものでした。しかし、死を前にして、初めて真剣に「生きる」ことの意味を考えます。その結果、いまの自分になら取り組むことができると考えた、ある「仕事」に邁進します。

それは彼の同僚から見れば、必ずしも理解が得られるものではありませんでした。しかし、彼は孤軍奮闘を続け、自身の目標を達成しようとします。その生きざまに心を動かされることでしょう。

主人公が生を心から堪能するかのように、雪の降る公園でブランコをこぐシーンは、この季節だからこそ、よりぐっとくるものがあるかもしれません。

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(5)『小原庄助さん』(1949、清水宏)


「小原庄助」という名前に聞き覚えがある人は、もはや少なくなっているかもしれません。民謡「会津磐梯山(あいづばんだいさん)」の中で「朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、それで身上(しんしょう)つぶした」と唄われる人物。つまり、イメージとしては「怠け者」に近いキャラクターです。

本作の主人公はまさにそのような男で、戦後の農地改革によって没落した地主です。しかし、彼は気のいい人物で、周囲の頼みを断らず、ときには自分の財産を分け与えることも。

時代柄、そんな状態がいつまでも続くわけもなく、彼の生活は窮地に追い込まれます。ただ、不思議と本作には悲劇的な色はありません。むしろ自分の運命を受け入れ、新たな道を探そうとする彼の達観した視線には、感嘆すらも覚えるほどです。

やや古めの作品ではありますが、目先のことでアレコレとうろたえることなく、余裕を持って生きること、ときには怠けることの大切さが、改めて伝わってくるような作品です。

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洋画編:生きるとは? 年末年始「おひとりさま」向けオススメ「外国映画」5選

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