バックギャモンの世界女王、子宮がん克服してのめり込んだ「不屈の精神力」

「バックギャモン」をご存じでしょうか。日本ではそれほどメジャーではありませんが、欧米や中東など、世界で約3億人がプレーするといわれる人気ボードゲームです。その世界的な強豪が、日本にいます。
東京都在住の矢沢亜希子さん(37)は今年8月、モナコで開かれた世界選手権で、4年ぶり2回目の世界王座に輝きました。複数回の優勝は世界でも過去に3人しか達成していません。しかも、末期がん寸前とまで言われた子宮体がんを克服しての快挙でした。その強さの秘密に迫りました。(取材・吉野太一郎)

「生きるか死ぬかの瀬戸際を支えてくれた」
「バックギャモンは、人生に似ています。どんなひどいサイコロの目に遭っても、自分で決断して選択し、自分の力で勝利に導いていく醍醐味があります。私にとって、生きるか死ぬかの瀬戸際を支えてくれたゲームでもあります」(矢沢さん)
「西洋すごろく」とも言われるバックギャモン。2個のサイコロを振って手持ちの15個の駒を動かし、相手の動きを妨害しながらゴールを目指します。先に全ての駒をゴールに入れた方が勝ち。「日本バックギャモン協会」によれば、日本国内の遊戯人口は約20万人、プロは4人しかいません。

その4人のうちの1人が矢沢さんです。世界選手権では、参加者が対戦を繰り返し、先に2敗した人が脱落していくルールで、無敗のまま決勝に進出。格下の相手を寄せ付けず、優勝賞金6万ユーロ(約780万円)を手にしました。
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