バックギャモンの世界女王、子宮がん克服してのめり込んだ「不屈の精神力」

「不屈」と書かれた扇子を手にした矢沢さん=2018年10月5日、東京都渋谷区。吉野太一郎撮影
「不屈」と書かれた扇子を手にした矢沢さん=2018年10月5日、東京都渋谷区。吉野太一郎撮影

「バックギャモン」をご存じでしょうか。日本ではそれほどメジャーではありませんが、欧米や中東など、世界で約3億人がプレーするといわれる人気ボードゲームです。その世界的な強豪が、日本にいます。

東京都在住の矢沢亜希子さん(37)は今年8月、モナコで開かれた世界選手権で、4年ぶり2回目の世界王座に輝きました。複数回の優勝は世界でも過去に3人しか達成していません。しかも、末期がん寸前とまで言われた子宮体がんを克服しての快挙でした。その強さの秘密に迫りました。(取材・吉野太一郎)

矢沢亜希子さん=東京都豊島区、吉野太一郎撮影

「生きるか死ぬかの瀬戸際を支えてくれた」

「バックギャモンは、人生に似ています。どんなひどいサイコロの目に遭っても、自分で決断して選択し、自分の力で勝利に導いていく醍醐味があります。私にとって、生きるか死ぬかの瀬戸際を支えてくれたゲームでもあります」(矢沢さん)

「西洋すごろく」とも言われるバックギャモン。2個のサイコロを振って手持ちの15個の駒を動かし、相手の動きを妨害しながらゴールを目指します。先に全ての駒をゴールに入れた方が勝ち。「日本バックギャモン協会」によれば、日本国内の遊戯人口は約20万人、プロは4人しかいません。

2018年8月、モナコで開かれたバックギャモンの世界選手権で優勝した矢沢さん=本人提供

その4人のうちの1人が矢沢さんです。世界選手権では、参加者が対戦を繰り返し、先に2敗した人が脱落していくルールで、無敗のまま決勝に進出。格下の相手を寄せ付けず、優勝賞金6万ユーロ(約780万円)を手にしました。


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