35歳で食道がん、死への恐怖と戦う先に見えた灯火

帰郷した時に姪御さんと

35歳の時に食道がんと告知された立山雄一郎さん(39歳・独身)は、手術はうまくいったものの、ずっと再発や死の恐怖と闘っています。食道がんの5年生存率は早期発見できた場合75%以上ですが、進行して転移が認められた場合は予後が良くないと言われているのです。職場復帰した立山さんの気持ちを支えるのは、ある出会いでした。

(この記事は、2019年6月26日に旧DANROで公開されました。記事内の情報は当時のものです。新しいDANROへの移行についてはこちらをご覧ください)

食道がんを告知され、思考が吹き飛ぶ

神奈川県に住む立山さんは、就労相談員として働いていましたが、35歳の時に重度の食道がんと告知されました。告知される1年ほど前に胸に激しい痛みを感じ、胃のあたりからこみ上げてくる強い異臭を感じたため、クリニックを受診したのですが、「若いから大丈夫、臭いは胃からは上がってこない。気にしすぎですよ」と言われました。

1年後、食べたり飲んだりすると喉につかえるような感じがして、立山さんは大学病院を受診しました。レントゲンに映った腫瘍は、まるで食道をふさぐ蛇の頭のように見えたそうです。

「食道がんは、初期症状があまりなく、飲食をした時に少ししみるように感じることがありますが、気づかないうちに進行していることもよくあります。食べているものがひっかかり出したら3カ月以内に水も喉を通らなくなります」(食道がんに詳しい近畿大学医学部上部消化管部門主任教授・安田卓司さん)

ステージⅣの食道がんと告知された立山さん。「その瞬間、思考が上空に吹き飛ばされるような感覚に陥りました。幽体離脱して、自分だけが世界からポツンと取り残されてひとりになった感じでした」

あえて希望を持たないようにした

術後一週間、目がうつろ

立山さんは故郷の広島県に帰って、術前に放射線治療と抗がん剤治療を1クール(3カ月間)受けましたが、その間、心中穏やかではなかったそうです。

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渡辺陽 (わたなべ・よう)

大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく伝える」をモットーに医療から気軽に行けるグルメ、美容、ライフスタイルまで幅広く執筆。医学ジャーナリスト協会会員。ダイエットだけでは飽き足りず、マラソン大会出場を目指して、パーソナルトレーナー指導のもと、ひとり黙々とトレーニングに励んでいる。

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