名古屋に誕生した「おひとりさま専用」焼肉&ラーメンの店へ行ってみた
名古屋は地方出身者が少ない。ゆえに、東京や大阪と比べてひとり暮らしをしている人も少ない。マーケットの規模が小さいため、ラーメン店やカフェは別として、これまでおひとりさま向けの店はほとんどなかった。
そんな中、今年10月に地下鉄名城線・新瑞橋駅のバスターミナルに隣接するビルに『おひとりさま横丁 焼肉イーネ!×麺屋はやぶさ』がオープンした。その名の通り、おひとりさまをターゲットにした店である。
おひとりさまに優しい「カウンター席のみ」の店内
『麺屋はやぶさ』は、オマール海老でとったスープで味わう「オマール海老湯」が有名なラーメン店で、名古屋駅西や大須で店舗展開している。
女性の場合、ひとりでラーメンを食べに行くことに抵抗があるかもしれないが、店名に「おひとりさま」と冠しているだけに入りやすいのは間違いない。ただ、筆者は男性ゆえに、今回はおひとりさま焼肉を楽しんでみようと思う。
店内はすべてカウンター席。ラーメンと焼肉、それぞれの席が壁で仕切られている。向かって左側の、コンロが設置してあるのが、焼肉専用のカウンター席だ。
各席には、スマホの充電器が設置されている。ライトニングケーブルとマイクロUSB、USB Type-Cのいずれにも対応しているので、機種を問わず充電することができる。イヤホンを耳につければ、ネット動画を見ながら食事が楽しめる。
注文はすべて卓上のタブレット端末で行う。さて、何を食べようか。
牛タンやカルビ、ロース、ホルモンなどの肉やサイドメニュー、お酒は単品で注文もできるが、この日はお腹が空いてたまらなかったので、ご飯が食べたい気分。
そこで、「焼肉ご飯セット」の中から「牛タン&中落&ハラミご飯セット」(200グラム・1480円)を注文することに。
巷の焼肉店のように、卓上に箸やタレは置いていない。各席には引き出しがあり、その中に箸とおしぼり、ノーマルな焼肉タレと塩ダレ、味噌ダレ、コチュジャンなどの香辛料が入っている。
5分ほどで料理が運ばれてきた。肉は左から牛タン6切と中落カルビ3切、ハラミ5切。200グラムでは少ないかと思ったが、1人前の量としては十分だろう。セットにはキムチとスープも付く。
あれ?ご飯は……。
味はあまり期待していなかったが・・・
ご飯とお水は専用のカウンターでセルフサービス。しかも、おかわり自由。一人なので誰に気兼ねすることなく、思いっきり食べまくることができる。
ちなみに、このカウンターはラーメンの席側にもあり、ラーメンを注文すると、ご飯は食べ放題になる。なんて太っ腹なサービスなんだ。
では、まずは牛タンから焼いていこう。目の前にあるコンロに牛タンをのせて、両面を焼く。食べ頃になったところで、岩塩とレモンでいただく。
うん、やわらかくて美味しい。臭みもなくて食べやすい。正直、値段の安さからあまり期待していなかっただけに感激だ。
続いて、中落カルビ。50歳を過ぎると、脂っこい肉は敬遠するようになった。が、このセットは、牛タンとハラミも入っていて、実にバランスが良い。中高年にはオススメのセットだ。
こちらも焼き加減をチェックしながら、タレをつけていただく。おおっ、脂が多いのでしつこいと思いきや、そうでもない。口の中でスッと脂が溶けていくではないか。
中落カルビを2切食べ終えたところで、ご飯をおかわり。本当に、焼肉ほどご飯に合うものはないと思う。
私はいつも焼いた肉にキムチをのせて、それをオン・ザ・ライスで食べる。これがまたご飯が無限に食べられると思うほど旨い。是非、試してみてほしい。
最後は、ハラミ。これがいちばん美味しかった。やわらかい上に肉そのものの味がしっかり。あまりの旨さに天に向かって拳を突き上げたくなる衝動に駆られる。
あ、友人たちと焼肉を食べるときはいつも大騒ぎしながら食べるのである。それができないのが、おひとりさま焼肉の辛いところだ(笑)。
ふぅ。美味しかった。1480円でここまで満足できるとは思わなかった。
「焼肉ご飯セット」は、いちばんお値打ちな「バラカルビご飯セット」(100グラム・570円)など種類もさまざま。どうしても焼肉が食べたくなったら、また来ようと思う。
食べ終わったら、席に置いてあるカードを持って、店の出口へ。
会計は、セルフレジで行う。カードにあるバーコードをスキャンすると、モニターに金額が表示される。支払いは現金のほかカードも選択できる。
この『おひとりさま横丁 焼肉イーネ!×麺屋はやぶさ』がオープンした背景には、新型コロナウイルスの感染拡大により、大人数で食事をする機会が少なくなったこともあるだろう。飲食店も変化を求められているかもしれない。