虹を求めて川を渡ってみた!ひとり時間「モネ」のように空を眺める

いきなりですが、この写真、何に見えますか?

わたしには怪獣にしか見えません! 

6月のある日、この雲を見つけてツイートしたところ、いつもはほとんど反応がないのに、このときだけは250もの「いいね」がつきました。

雲などの形が「自分のよく知っている何か」に見える現象のことを「パレイドリア現象」と呼ぶそうです。みなさんはいかがでしょう?

1年以上も続くコロナ禍。ひとりでいる時間が多くなりましたが、私はそんな時間を利用して、空の写真を撮ることが増えました。それをきっかけに、SNS経由の「雲友」もたくさんできました。

大阪万博でおなじみの「太陽の塔」と「雲」、そして「梅田スカイビル」のコラボ。この太陽の塔のフィギュアは、私のお気に入りです。

今年5月からは、NHKの朝の連続テレビ小説で「おかえりモネ」が放送されています。主人公の百音が“気象予報”という仕事を通じて、人々に幸せな未来を届けていこうとする物語です。

朝ドラでも天気の話題を目にするようになって、ますます空の写真を撮って、SNSにアップすることに夢中になっています。

川の向こうに「天使の梯子」が見えた!

「おかえりモネ」がスタートしてまもない5月22日。私の住む大阪にどしゃ降りの雨が降りました。

部屋から外を見ると、北西の空に「天使の梯子」が見えました! 分厚い雲の切れ間から光の梯子が下に向かって伸びていて、天使が降りてきそうな雰囲気でした。

このとき、私の自宅がある淀川の南東側はまだ雨がパラパラ降っていました。空は雨雲で覆われていて真っ暗でした。

時刻は午後3時ごろ。「もし夕方ちかくに雨があがれば、西から指す太陽のおかげで、東の空に虹が出るのでは?」と予想してみました。

でも、私のマンションから東側を向いても、梅田のビル群が見えるだけで、空はあまり見えません。そこで「淀川を渡って西側に行けば、きっと虹がきれいにみえるはず!」と思い、梅田と十三を結ぶ新十三大橋を渡ることにしました。

淀川の西側に行くと、にわか雨が降ってきました。カフェで雨宿りしながら、雨雲が頭の上から去るのを見計らって、堤防にあがってみます。すると、現れました! 

きれいな七色の虹。淀川の向こうに、鮮やかな弧が描かれています。しかも、見ているうちに複数の虹が出現しました。        

写真には3つの虹が写っていますが、(1)→(2)→(3)という順番に虹が現れました。あとで知ったのですが、(1)は虹が川に反射してできる「反射虹」で、(2)は「主虹」だそうです。右側にうっすら出ている(3)は「副虹」です。

これもステキな写真ですよね。虹の内側に繰り返すように現れる「過剰虹」も見ることができました。

写真をTwitterに投稿すると「いいね」が500近くつきました。自分が撮影した虹の写真を送ってくださる方もいて、さまざまな虹を楽しめました。

虹は、そのときの太陽の位置で見え方が変わってきます。太陽の位置が低いほど、虹が大きく見えやすいので、夕立の後に西の空が晴れたときが絶好のチャンスなのです。

私の部屋のベランダから夕焼けを眺める「太陽の塔」くん。「おつかれさ~ん」「明日もよろしくね~」みたいな会話が聞こえそう。

「情熱大陸」出演の雲研究者と「雲友」に

私が雲写真にハマったのは、Twitterで知り合った雲研究者の荒木健太郎さんの影響です。綺麗な雲や空の写真を毎日アップし、解説してくれるのがステキです。

イケメン気象予報士の荒木さん。新海誠監督のアニメ映画「天気の子」では気象監修を担当していて、本人役として声の出演もしています。いま放送中の「おかえりモネ」でも気象資料を提供していて、エンドロールに名前が登場します。

実は、私の天気に関する知識も荒木さんの著書「すごすぎる天気の図鑑」がネタ元なのです。

この本が出版されるとき、「先読みキャンペーン」というのに参加しました。出版前の原稿を読ませてもらい、感想を送ったのです。本の最後には、私の名前も「雲友」として掲載されているので、愛着のある1冊です。

さざ波のような「ウロコ雲」と大波の形の「屋根」とのコラボ。夏のビーチを思い浮かべます。

荒木さんのTwitterを通じて、見知らぬ雲友もたくさんできました。全国各地の珍しい雲を見て楽しんでいます。

私の偏見かもしれませんが、気象予報士って、理系の賢さと芸術系の柔らかさを兼ね備えている気がしませんか? 数値と理論で考えるだけでなく「自然を愛している」というところで、ポイントがアップしていると感じます。

荒木さんはClubhouseやTwitterのSpacesなど音声SNSで、お天気談義をすることもあります。天気のお役立ち情報や「おかえりモネ」の裏話など、ちょっと笑いも入れながら穏やかな口調で話し、声もエエ感じです。

私も一度、スピーカーに上げてもらったことがあり、虹を見つけに川を渡った話をさせてもらいました。そのときは、「僕の本を参考に実際に虹を見つけに行ったというのが、すごく嬉しい」と荒木さんに言われ、雲友冥利につきると感じました。

5機の飛行機が次々と同じ路線で飛んでいきました。その際にできた「飛行機雲」が風で移動し、少しずつズレることによってできた奇跡の5線。

そんな荒木さんが8月8日(日)の夜に放送される「情熱大陸」(TBS系)に登場します。雲研究者の意外な素顔が見られるのではないかと楽しみにしています。

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